6.3sqソケット

「普通整備は9.5sq」「大トルクは12.7sq」

っていうのが常識みたいです。
6.3sqって世間的には「あったら便利」系のサブ的なツールですが、整備について右も左も分からないときに最初に買ったのが6.3sqだったもんで、ウチの場合は、バイク整備といえば「まずは6.3sq」で一番使用頻度の高い工具になってます。

6.3sqの工具

6.3sq ハンドル達
そんなわけで、手元には6.3sqのラチェットがこんなに…。
一番使用頻度が高いのが、首振り【短】。その次がKTC丸型です。
「首振りでかつ、トルクが掛けられる様に」と、首振り【長】買ってみたんですが、これがまぁ使いにくい。
作りがどうとかというより、単純に「重い」んですわ。
なんで,ねじを空転させるときの往復動作がしんどい。そんなわけで「使わない工具箱」行き…。
その点,KTC丸型は良く出来ています。
ラッチ歯数も60枚有り,ネプロスの90枚ほどじゃないけど通常の36枚よりは多く,何よりも「軽い」。
10年以上前にホームセンターで適当に買ったやつだけど,今でも普通に使えてます。
あと変わり種のが小型タイプ。すんごい狭い所用で,ごく限られた条件では重宝します。
反対側に六角ビットささるので,車体にキャブ付けたままジェット交換するときなんかに活躍。
これも「便利かな?」と思って小型/可倒タイプ買ってみたものの、本当に狭い所だとラチェットの端しか手で持てないので、ハンドルが曲がるとボルト・ナットを保持できなくてこれも「使わない工具箱」行き。

6.3sqの優位点

車の整備では出番無さそうですが、バイクだと…

  • 外装・電装・タンクなど
  • ハンドル回り
  • フロントフォークのクランプ
  • クラッチカバー/エンジンカバー

など、結構出番があります。
まず最初に外装外すことが多いので,そうなると6.3sqが活躍します。
6.3sqで扱えるねじって、2面幅12mmくらいまで。2面幅8~12mmあたりは9.5sqでも扱えますが、小径ねじはピッチが細かい分、ねじを抜ききるまでの空回しの回転数が多く、工具自体が軽い6.3sqを使う方がだいぶ楽なのが主に6.3sqを使う理由です。
逆に9.5sq/12.7sqは有るにはあるけど、もうただ「回せれば良い」という感じであんまり拘ってません。
回しやすさより、如何にトルクを掛けられるかのほうが重要なので,T型スライドハンドルやスピンナーハンドル使うことが多く,6.3sqがあると18cmくらいの9.5sqのラチェットハンドルは「たまーに」しか出番ありません。

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ニーブレース新調

POD MX K4 ニーブレース

POD MX K4
去年靱帯痛めてから懸念していたニーブレース,ようやく新調しました。
Leattの新しいX-FRAMEと迷いつつ,定番のasterisk Cellも試着したんですが,結局POD K4に。
内股の作りが薄いので,ニーグリップの違和感は殆ど感じません。

K4のヒンジ
CellにしろX-FRAMEにしろ共通していたのですが,手に持って曲げると軽く曲がるのに,自分の膝に装着して曲げ伸ばしすると何かが擦れているような抵抗感があって,なんだか自分の膝の動きにイマイチ追従出来てない感じ。
ほんと僅かな抵抗なんで,実際のライディング中は殆ど気にならない位なんだけれど。
その点,K4はヒンジがピヴォットではなく,ウレタン樹脂製(pod曰く「人工腱」)のエラストマーで支える独特の構造。
その為か,膝の屈伸に対して一番抵抗感が少なかったのが決め手。
ウレタンだし樹脂だし,劣化が早そうなんですが,交換式になっているし単体パーツでも購入可能。様子見ながらだけど,たぶん期間決めて交換した方がいいっぽい。
少なくとも簡単に折れたり千切れたりするようなもんじゃ無いです。

C-Frameのヒンジ
その点,C-FRAMEはボールベアリング内蔵していたので,動きは抜群に良かったですね。
片持ちということを逆手にとって,ヒンジを思いっきりゴツくしてベアリングのスペース確保したようです。

K4の大腿側
ただK4にもちょっと不安があって,剛性感が足りない…。
繊維強化ポリアミドだからそれなりにしっかりしてるんですが,それでも樹脂は樹脂。金属やカーボンの硬さと比べるまでも無く…。
特に,大腿側の固定がちょっと頼りない。膝近くはしっかりと左右覆っているんですが,上の方はほとんどベルトで締めるだけの構造。

C-Frameの大腿側
一方でC-Frameだと側面にかなり回り込んでいて,ベルトは添えるだけで十分。

怪我しやすいとか耐久性がどうとかじゃなくて,右膝は既に靱帯痛めてしまってるんで,ニーブレースは単純に保護だけじゃなくて本来の「支え」として機能が必要なんです。
最初ちょっと走ってみたけれど,スタンディングしながらコーナー曲がったら,案の定,膝関節外れたし…。
とりあえず,膝の左右のパッドを更に厚いモノに替えてキツめにしたら,なんとかなったっぽい。カーボン製のK8のほうが剛性さらにありそうでそっちが良かったかも…,とちょっと後悔。
画像の説明
新旧比較。
重量はC-Frameが880gに対し,K4だと680gなんで大分軽くなった感じ。
新しいX-FRAMEのほうは,殆どカーボン製なのにK4と大して価格変わらないので,後発メーカーということもあってお買い得かも。
K4のカーボン版のK8はちょっと手が出ないお値段…。


ニーブレースとニーガードの違い

ニーブレースの想定する衝撃というのは一例として,

  • 脛側の一部が固定された状態
  • かつ,大腿側に体重などの荷重がかかり,
  • 結果,膝の屈伸方向と異なる方向に負担が掛かる状態

というようなのを想定していると思います。多分。
だいたい,脛側にあらぬ方向への荷重がかかるパターンが多く,バイクだとどう言うパターンの想定かというと…

  1. 転倒時にライダーが吹っ飛ばされて足から着地。
  2. ステップから離れた足を地面に引っかけてそのまま転倒。
  3. 転倒時に倒れてきたバイクで,脛側を側面から強打。

ウチが靱帯痛めたのは3.のパターンですね。
多くのレース向けオフロード用品はモトクロス用途を主眼に置いているんですが,スピードの速いモトクロスだと3.は起こりにくいんだろうなぁ…と。そんなわけで,LEATTのC-Frameではその辺りの対応が弱かったんじゃ無いかなぁ…という気はします。
とは言え,エンデューロや初級ライダーなどのスピードレンジが低い場合,3.の受傷例はけっこうあるんですわ…。
で「ニーガード」ですが,基本的に「打撃」しか保護出来ないと思います。
ヒンジ付のニーブレースのような形状もありますが,大腿側と脛側に別々の方向へ体重以上の荷重かけて耐えられるか?っていうと,そこまで頑丈じゃない。
ただ,3.のパターンだとモノによってはギリ耐えられるか壊れるか?って感じかも知れませんが,素直にニーブレース買えるなら買った方が良いというのが個人的結論。

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2017WEX-W戦績

120minレース総合の比較

120総合

こんな感じでレース結果のタイムと順位を,Topとの比率で出していました。BestLapと平均タイムの差が大きいときは,だいたい転倒が多いか,渋滞に巻き込まれていたりします。
R2阪下で膝の靱帯痛めたんでR3は休場してマス。
R6の後,ハスクがアボンしたのでRR4T185LCで参戦したR7ですが,順位そんなに落ちてないのが解せない…。ハスク使いこなせてないやん…。
解せないのが順位。R6とR7で上がってるけど,タイムは低調なまま…はて?


120Cクラス限定での比較

120C

あらためてCクラス限定(速い順からA/B/Cとクラス分け有り,一緒に同じコースを走る。)で計算し直したらこんな感じ。R6/R7でタイム上がってるやん …。
WEXはJNCCよりもビギナー向けという位置づけなんですが,ちょいちょJNCCで通用するような人がスポット参加して総合トップをぶっちぎりで掻っ攫っていくという事がままあります。
要約すると「総合Top速すぎ」。因みに,B/Cクラスは総合優勝すると上のクラスへ強制昇格です。
とは言え,JNCC/WEXの「10位までを上限とし出走台数の30%」という緩い条件ながら,結局一度も表彰台に上がれませんでした…。1回だけ「あと一人抜いたら表彰台」とか有ったんですけどね…。
R7の総合タイムが悪いのは,理由は明白です。
1周目の渋滞で11分も止まってりゃそりゃあね…。(‘A`)


阪下は走り慣れて得意なんだけど…

総合Topとのタイム比で90%くらいあるのに,順位は散々。みんな速すぎるよ!


暑さとの戦い

R4とR5の成績が悪いのは判ってます。「暑かった」んです。R4が6月,R5が8月。どちらも標高1,000m超える高地でしたが,それでも「暑い」。
だいたい,気温25℃超えると,走行中に人間のほうがオーバーヒート(熱中症)してくる模様。
もともと暑がりで,冬場の気温ヒトケタの屋外でも,バイク整備してたら汗かくくらい。しかも,夏場はクーラーの世話にばっかりなってる身としては,暑さは非常に辛い…。
クーラー控えて暑さに慣らして…なんとかなるんか?


来期に向けて

毎度思うのが「阪下のペースでほかのコースも走れたら,もっと上狙えるんじゃね?」と。たまたま出場した某ハッピーファンでは,わりと良い線行ってたんだけどなぁ…。
新マシンを新調して来期に臨むつもりだったんですが,大韓航空のクソ対応のせいで,未だ納期が未定…。(‘A`)
とりあえず,まずは基本に立ち返り「目線を遠くへ」かなぁ。

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KTMの2stインジェクションについて考察

2stとはなんぞや

2ストローク機関(wikipediaより)

一般的には「2工程で1周期とするエンジン」「1回転毎に1回爆発するエンジン」と言われるけれど,その仕組みを理解するにあたりずーっとピンと来なかった。記事を書くにあたり,改めて2stの仕組みを調べていくと,別の視点のほうが自分としてはしっくりきました。

それは「吸気・掃気を下死点で一度に行うエンジン」という特徴。

通常の2stでは,ピストン下降を吸気の予備圧縮に利用しているけれど,現状実用として残っている数少ない2stエンジンであるユニフローディーゼルに至っては,外部の過給器圧力で新気を送り,ピストンはただ圧縮・爆発の為だけで吸気掃気には関与していない。
ユニフローディーゼル(wikipediaより)

そして,そのように2stを理解すると,ユニフローディーゼルのほうが2stとしては有るべき姿で,クランクで予備圧縮を行う一般的な2stは,外部の過給器を簡略化した簡易版の様に見えてくる。

それもそのはず,2stの歴史をひもとくと,初期のクラーク式では吸気を圧縮する為のシリンダーを別に1気筒用意し,その圧力によって吸気掃気を行っていたという。
クラークのエンジンに類似した機構(wikipediaより)

やはり2stでは,下死点で吸気掃気を一度に行う為に,シリンダー外で十分な負圧・正圧が必要ということが分かる。そして,それこそが2stたる所以だと思う。

クランクによる混合気予備圧縮の功罪

4stのような複雑なバルブ機構を持たず,4stと比較して排気量あたりの出力が高い2stは,その小型・高出力から特にオートバイにうってつけのエンジンだったことは敢えて言うまでも無い。

吸気掃気の圧力をクランク内圧を使って行う事により,外部補機を極力廃して小型・簡素化を実現した2st。

しかしその仕組みから,排ガス規制をクリアすることが難しかった。その理由は下記の通り。

  1. 吸気の生ガスの一部が,掃気側へ抜けてしまう。
  2. 予備圧縮時にクランク内に混合気の一部のガソリンが滞留する為,空燃比が安定しない。

※2は,ユニフローディーゼルでは外部過給器により解決されている。

2は特に重要で,空燃比をリーンバーンに制御が出来ないと排気温度を上げる事が出来ないので,3元触媒が使えず今時の排ガス対策が全く成り立たない。また,2stのプラグがかぶりやすい原因も,クランク内に滞留するガソリンによる物と言われている。

クランク内は,気化前の液体のガソリンや滞留したままの混合気で満たされていて,直接制御の出来ない第二のキャブレターみたいなことになっています。ストップ&ゴーでクランクのガソリンは濃くなり,連続走行では薄くなっていきます。

2stのインジェクション化が難しかったのも,混合気がクランクを経由することが要因と思われ,クランク内に滞留する残留ガソリンの予測が付かず,インジェクション化してエンジンが動いても,空燃比の制御が出来ないのならキャブに対するメリットが殆ど無かったんじゃ無いかと思います。

ホンダの考え

実は2015頃にホンダの2stインジェクションに関する特許が少し話題に上がっていました。

内容としては,ざっくり言うと,ユニフロー化(シリンダー上部に排気バルブ)しつつ,過給器ではなくクランクによる予備圧縮で空気のみ圧縮し,ガソリンはシリンダー内へ直噴,直噴化したユニフローディーゼルに,プラグ付けてディーゼルじゃなくして過給器も外しました,みたいな内容。

実際に開発してるかどうかは中の人のみぞ知るですが,混合気がクランクを通らないため,ユニフローディーゼル同様に排ガス問題は改善出来そうです。
実はこれ、4輪メーカーも同じ様な事を考えていて、既に2000年前後には諦められてしまった技術のようです。

ユニフロースカベンジング式2ストロークガソリン直噴エンジンの可能性(wikipedia)

シリンダー内への直噴インジェクターが4輪で実用化されているとはいえ課題もあり,まだまだ発展途上でありネックかもしれません。

また,排気バルブ機構が必要な為,エンジンが4stなみに複雑・大型化するため,排気量あたりのパフォーマンス追求ならまだしも,そうでなければ4stと総合的に比較してメリットあるのか?判断が難しいところかと思います。

KTMの答え

ここで満を持して登場したKTMの2stインジェクション。
Motocross Action Magazine より

もっと簡単に「掃気ポートに対して燃料噴射する」という解決策を取っています。

混合気がクランクを通らないので正確な空燃比の制御が可能になるかと思います。また,正確な空燃比制御が出来るという事は,2st特有のプラグのカブリからも開放されるんではないかと思います。

掃気ポートへの噴射自体は,結構古くから有るアイデアのようで80年代後半の特許( EP0302045B1)や,2000年頃にはその改良特許なんかも見つかります。US6691649 B2

その頃日本メーカーはというと,残念ながら2stを捨てて4stに舵を切り始めたばかり…。

吸気掃気時に生ガスが排気側に洩れてしまう点について根本解決は出来てませんが,空燃比制御でリーンバーンが出来ると三元触媒が使えますし,ひょっとしたらインジェクターの噴射タイミングを僅かに遅らせて,排気側へ洩れる生ガスを減らしているのかも知れません。

そんなわけで,掃気ポート噴射=Transfer Port Injection(TPI)というのは,絶妙な解決策の様に見えます。

むしろ,キャブレターだって掃気ポートに付けるべきだったのでは?と思えるくらいです。(それはそれで大変だけれども…)

ただ、2stTPIと言えども、シリンダー内の燃焼済みガス交換の不完全さと、生ガスの吹き抜けの課題は抱えたまま。他の用途では「燃費・排ガス」の優先順位が高い為、TPIは将来的にもエンデューロだけのニッチなままかな…という気はします。

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