風暖

カセットガス式ファンヒーター。ファンの電源は燃焼熱から発電して利用するので、完全コードレスというやつ。

前々から存在は知っていたんですが「そんな大層な物…」と思って気にもしてませんでした。

しかし、ホームセンターで実物を見る機会があって「え?こんなに小さいの?車に積めるやん?」となって購入。

使用目的は、もちろんレース前泊の車中泊キャンプ利用。車の中で朝起きた時の利用もちょっと考えましたが、一酸化炭素とかヤバそうです。そんなわけで、まずは外のタープテント内での利用として。

今はコールマンのクイックヒーターを使ってますがOD缶用で燃費が掛かるのと、そもそもの暖房能力が「無いよりマシ」レベルだったんで。

そして、缶ガスのコスパあれこれは、全てはこれの実燃費を把握するため。

使用感

何よりも「ファンヒーター」というのが良い。ストーブって本体表面がかなり熱くなるから、消した後の取扱いとかちょっと気を使う。

ファンヒーターだと熱いのは吹き出し口に限定。消した後もしばらくは余熱でファン回っていて、ファン止まる頃には本体表面で60℃前後くらいまで温度下がってて安心。

暖房能力2kWというと、石油ファンヒーターでも小型の7畳用とかの2.5kWよりちょい足りないくらい。4.7kgという重量も、数字で見ると少し重い?ってなるけど、実物だと全然気にならない重さ。軽い…とまでは言わないけれど。

屋外(13˚Cくらい)でタープテントに横幕貼って、都合により3面しか張れなかったけどそこそこ温かったです。テントの奥から開口方向に設置してたんで、逆にした方が良かったかも。

屋内で使うとふつーに十分温かいです。エアコンもあるんですが、ウチの部屋、とにかく床が冷たいんでエアコンだとなかなか床面付近の温度が上がらない。これだとまず床付近から暖まるんで、エアコンの暖気が十分に回ってくるまでのブースターとしてちょっと使うと良い感じみたいです。

あと、灯油ファンヒーターに対するメリットとして、消した時臭いがしないこと。付けたり消したりが気兼ねなく出来ます。
(ガス燃焼の独特の臭いはしますが、僅かなのでほぼ気にならないレベル。)

燃費について

種別暖房能力1h消費価格単位稼働時間
あたり単価
暖房能力
あたり単価
石油ファンヒータ2.5kW0.243L¥90/L¥21.9/h¥8.7/kWh
風暖(弱)1.5kW107g¥83.3/缶¥36.3/h¥24.2 /kWh
風暖(標準)2.0kW145g¥83.3/缶¥48.3/h¥24.2 /kWh
電熱器具1.0kW1.0kWh¥25.8/kWh¥25.8/h¥25.8 /kWh
エアコン(外気7˚C)2.8kW0.64kWh¥25.8/kWh¥16.4/h¥5.9 /kWh
エアコン(外気2˚C)3.1kW1.08kWh¥25.8/kWh¥27.9/h¥9.0 /kWh

条件:

  • エアコンはとりあえず今使ってる8畳用のスペック
  • 缶ガスの燃費は最安値の¥250/3本から算出
  • 電気代は関電の従量電灯A/2段階(120kWh~300kWh)料金

電熱器具の燃費の悪さ

所謂、電気ストーブとかセラミックファンヒーターとか、電気の力だけで熱を作る機器。(エアコンはヒートポンプを使うので違う)

こうやって比較してしてみて意外だったのが、電熱器具の燃費の悪さと、最安値の缶ガスと比較すると、缶ガスの方が燃費が上回るということ。

ただ電気だと、「室内の空気が汚れない」というメリットは有りますけどね。

火力発電などで燃料からたかだか効率50%程度で搾り取った電気でまた温めてる訳なんで、電気だけで温めるのってすんごい無駄なんですよ。オール電化とか。

エアコンの能力の高さ

昔は冬の暖房というと、本州の冬でも灯油一択だったわけです。しかし今時のエアコンは、外気温により能力が左右されるとは言え、燃費・能力的には石油ファンヒーター(灯油)とほぼ互角。

そりゃ灯油ストーブとかファンヒーターとか、近頃見掛けないわけです。

カセットガス暖房機の相対位置

  • 暖房能力は割とある。(2kW)
  • 電熱機器と比較すれば、電気代と缶ガス価格は同じくらい。
  • しかしエアコンや灯油の3倍くらいの燃費はかかる。

キャンプ用途に限らず、うまく使えば、屋内でもエアコンの補助暖房として使えそうです。
※風暖は屋内専用仕様です

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カセットガスのコスパを考える

g単価で比較したものは有り、なんとなく割高なのは分かるんですが、イマイチ感覚的にピンとこない。

液化状態でのリッターあたりの単価で灯油やガソリンと比較すれば、もっと直感的に分かりやすいんじゃないかと。

リッターあたりの熱量はカセットガスのLPGがだいたい7Mcal/L、ガソリンが8Mcal/L、灯油が8.7Mcal/Lくらいで、同じ体積だとLPGがちょっと見劣りますが、ま、だいたい同じとして。

あとLPGはブタン/イソブタン/プロパンの配合比率がそれぞれ違う訳ですが、熱量としてはほとんど差異ありません。(厳密にはちょっとだけある)

種類価格情報液リッター価格
オートガス一般掛け売り
店頭販売
¥77.7/L
¥84.5/L
家庭用LPガス全国平均@2020
の従量価格
ガス1m^3あたり¥548
¥145/L
カセットガス(最安値?) 1本250gあたり¥83.3¥195/L
カセットガス(100均)1本250gあたり¥110¥257/L
イワタニ(オレンジ)1本250gあたり¥167¥394/L
EPIgasレギュラー(OD)470gあたり¥575¥705/L
プリムスレギュラー(OD)470gあたり¥660¥829/L
EPIgasパワープラス(OD)470gあたり¥685¥815/L
プリムスハイパワー(OD)470gあたり¥891¥1,068/L

オートガス

タクシーで使ってるアレです。成分は「ブタン8:プロパン2」と、キャンプ用寒冷ガス(オールシーズン対応)よりちょっとプロパン多めな感じです。

ガソリンより安いっちゃぁ安いですが、そんなに劇的に安いわけでもない。

タクシーで良く使ってるのは、ガソリンよりも価格変動の影響を受けにくいとかそんなんですかね?知らんけど。

家庭用LPガス

高い高いと言われている家庭用LPガスですが、従量単価の時点でガソリンや灯油よりかなり高い。既に灯油の倍近いよ?そして、灯油より2割ほど熱量が低いLPG。灯油の優秀さが際立ちます。

LPガスの基本契約料や設備利用料抜きの従量価格部分のみですが、そりゃまぁ配送コストとか乗ってる上に、オートガスとは配合が違うのもありますが、それにしても高すぎない?

カセットガス

一般的に手頃に入手可能なのは、100均とかで売ってる奴。たかが1本110円とは言え、これでも既にガソリンの倍、灯油の3倍くらいの価格。全く以て安くない。

最安値で売ってるところを調べると、3本で¥250とか。ネットで調べた限り、ケース買いすると1本110円よりも高くなって不思議な感じ。送料と危険物の関係かね?

余談だけど、最安値だと普通にプロパンガス契約するのと比較して、ガス使用量次第では基本料金とか考慮したら安くなるんじゃ?という気も。

イワタニ(オレンジ)

先日ホームセンターで、イワタニのガスが3本500円で売っていて、これは安い!と思って買ったわけですが、もう100均ガスの時点で価格の感覚がおかしかったわけです。

¥394/Lの燃料ってどんだけ高価なんよ?

OD缶いろいろ

寒冷用のプリムスハイパワーとかEPIgasパワープラスとか、同じOD缶のノーマルガスよりそんなに高くないよね?って思ってる時点で騙されてました。

レギュラーガスの時点でOD缶、めっちゃ高いよ。

因みに、プリムスレギュラーとEPIgasパワープラスが、同じ重さで価格と単価が逆転するという面白い事が起こってます。これはガスの比重の違いによるもので、同じ470gだとプロパンを多く含む方が少し体積的に多くなるため。

じゃぁプロパン多い方がお得か?というとそうでも無くて、重量あたり熱量はあんまり変わらなくて、体積あたり熱量だけ下がるもんだから、結果として同じ重量なら1缶あたりの熱量は殆ど替わりありません。


OD缶のノーマルガスはCB缶と殆ど同じガスなのに、寒冷用よりも少ししか安くならない為、かなりコスパが良くない様です。

一方で寒冷用ガスとの差額がそう多く無いので、OD缶をたまにしかキャンプで使わないならば、迷わずハイパワーガスやパワープラス買った方が良さそうです。

燃料としてコスパを考えたら、やはりガソリンや灯油が最適なんだ…という当り前の結果ですねぇ。

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キャンプ用ガスについて考える

tanikiryo.com CB・OD缶の価格一覧!一番安いのは?キャンプに持っていくなら??
https://tanikiryo.com/?p=1961

そろそろ出先で使うガスの在庫がなくなってきたので。

今はPrimsのハイパワーガスを通年で使ってます。前にCB缶のコン郎をOD缶に詰め直して使ったりもしましたが、ちょっと朝方涼しいだけで明らかにガスの出が悪くなりました。

一方で、SOTOパワーガスをOD缶に詰めて使った時は、何も問題有りませんでした。

安いガス高いガス、寒い時に出が良い悪いっていうのは、基本的にはブタン・イソブタン・プロパンの配合比率の差なんじゃないかな?と。

冒頭のブログでコスパについて記載あるのですが、じゃぁイソブタン30%のガスとプロパン10%のガスどっちが良いんだ?みたいな疑問がわいてきたので、配合比率で蒸気圧を計算してみました。

CB缶製品

品名の後の数字は[ブタン:イソブタン:プロパン]の比率。0℃以下の領域についてはブタンが沸騰しなくなるので、実際にこのグラフで正しいのか怪しい感じです。

単位は絶対気圧。1atmで大気圧と平衡になりガスが全く出てこなくなる事を意味します。それなりの勢い(火力)でガス出すなら、たぶん2atmくらい無いと実用にならないんじゃないかな…と。

コン郎

さて、激安で有名なコン郎ですが、ブタンしか入ってないためやっぱり圧力が低いですね。グラフ見る限り、暖かい部屋でヒートパネル有りの器具でないと使いもにならない感じ。まぁそういうものなんでしょうね。

以前に、カセットコンロを屋外(15˚Cくらい)で使用している時、コン郎では無いですが安物のCB缶で明らかにガスの出が悪くて、中火〜とろ火くらいになってました。その後、イワタニの缶に変えたら、勢いよく火がでるようになりましたが。

イワタニ(オレンジ)

それなりに何処でも使える、ちょっと上質なガス…ってな感じですかね。秋口の屋外利用もギリギリOKな感じ。けれど過度の期待は禁物。

ちなみにPrimsブランドで出しているキャンプ用のOD缶、ノーマルガスはこの赤缶と組成が同じ様です。

東邦金属ゴールド/SOTO・新富士パワーガス

それぞれイソブタン入れてるかプロパン入れてるかで組成が違うんですが、圧力は同じみたいです。ただ0℃以下になってブタンが沸騰しなくなった時の振舞が違うかも知れません。とは言え、そもそも0℃付近でガスはでても圧力が全然足りずまともに使え無さそうな感じです。

イワタニ赤缶よりは圧力高いですが、OD缶の寒冷地用ガスよりだいぶ見劣りします。なんかCB缶自体が高圧に耐えられる構造じゃないため、このくらいの圧力が安全上の上限だとか。

コスパの良いCB缶ですが、OD缶の寒冷地用ガスの代りには、ならないみたいですね。

OD缶製品

Primsノーマル/EPIgas

このあたりがOD缶の最低ライン。平地の秋口くらいまでは問題なく使えます。冬になると平地でもちょっと厳しい感じ。

EPIgasがちょととづつPrimsの上を行ってるあたり、意識してるんでしょうかねぇ。

ただ、ガスが減ってきた時にそれぞれの混合ガスが均等に減るのかどうか?という疑問もあります。EPIgasの場合、先にプロパンだけ使い切っちゃったりしないんですかね?とか考え出すと、Primsの方が最後まで持ち良いのかな?とか気になったりします。シランケド

Primsハイパワーガス/EPIgasパワープラス

一般に寒冷用として使うタイプ。

寒冷用ガスは夏場利用は圧力が高すぎるので避けた方が良いと言われてますが、このくらいまでなら大丈夫でした。イワタニ・プリムスの商品紹介でもオールシーズン用と紹介されてますし。

SnowPeak プロイソ

コレこそが本当の寒冷地用。

特筆すべきは、沸点が-0.5˚Cと高いブタンを全く含まない事。-10˚C以下でも余裕で使えそうなんですが、気温が高い方の圧力が凄い事になってます。

夏場使ったり、自動車の車内に放置したりすると危なそうです。

まぁ、普通の人は必要ない感じかと。

※追記:SnowPeakは基本的に成分非公表で勝手に配合が変わるようです。[0:85:15]という情報もあります。


まとめ

蒸気圧という数値で各ガスの能力が定量的にわかりました。また、CB缶のパワーガスはOD缶のパワーガスには及ばないと言う事も収穫。

一方で、蒸気圧は同じで、プロパン少量添加とイソブタン数割添加にどの様な差があるか…というのがまだよくわかんないですねぇ。


参考URL1:千代田精機 各種ガスの物理的性質 https://www.chiyoda-seiki.co.jp/data/c_pdf/295.pdf

参考URL2:カグラベーパーテック プロパン/ブタン混合ガスの蒸気圧 https://www.kagla.co.jp/support/data/157.pdf

参考URL3:【OD缶の全て】9社16缶の充填ガスの比率と比較、OD缶の小話あれこれ https://www.zetuenlife.com/entry/odkan

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数字4桁の暗証番号

「4桁の暗証番号≠パスワード」まずこれを理解して欲しい。

4桁の暗証番号だけでセキュリティとして機能するなんて考えている(またはそう良い張っている)の人達が未だに居る事に、あまりに稚拙で辟易とします。

オンラインバンクの振込が、口座情報と暗証番号だけで出来る、そんなザルシステムが存在し運用されていた事自体驚き。

数字4桁なんて、たかだか1万通り。しかも「よくある4桁の暗証番号」っていう統計が有って、それを上位から数個試すだけで相当に高い確率で暗証番号がHitします。

例の件、自前でシステムも組めず、無知な銀行側は「ドコモが悪い」って良い張るんでしょうかね?
※悪用出来るような架空口座作り放題だったドコモ側にも一定の瑕疵はあるけど…。

ドコモ側と銀行側で訴訟合戦やり合って、裁判で「オンライン取引で4桁の暗証番号だけでは十分とは言えない」とかいう判例出して欲しいところです。多分やらないでしょうが。


余談ですが、クレジットカードの4桁暗証番号、あれは自動販売機などの機械以外は、対面では絶対に使いません。サインを使った取引だと不正利用の際に補償されるけど、暗証番号を使った取引は原則的に補償対象外になるので。

たかだか4桁の暗証番号とICチップを使った認証が「高度なセキュリティ」ということで、不正利用される可能性が低いから・・・だそうな。

レジの暗証番号入力用テンキー、あんなもの周囲から丸見えで「どうぞ私の暗証番号を今から公開します」ってやっているようなもんです。


さらに余談。

キャッシュカードの4桁暗証番号は、それのみでセキュリティが確保されてるんじゃなくて、

  1. 用意されたATMでの入力(入力者の姿を晒し、不審な連続攻撃が困難)
  2. 偽造の難しいICカードによる口座情報(なりすましの阻止)
  3. 暗証番号の利用(窃盗されたICカードの不正利用の阻止)
  4. 比較的周囲から隠された操作入力部分(漏洩の阻止)

など、これらの組み合わせによってセキュリティが確保されてます。

先のオンラインバンクだと、そもそも「2」が無いから「3」が殆ど意味を成してません。

一方で、クレジットカードの暗証番号では「4」が足りないので、常に暗証番号漏洩のリスクを伴います。

とは言え、まぁ裏技は色々有るもんなので、完全ではないけれども攻撃者から見てリスクと報酬のバランス的に「面倒だな」と思える水準は今のところ保てているようです。

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