TC1000+Ultrabeeチューニング

日本国内にどのくらいのユーザーがいるのかわからないし、すでに取り付けている人は大体なんとかなっていると思うけど、操作に関連するチューニングについて、とりあえず自分の知見のまとめ。

なお、キャリブレーション・初期設定は済んでいるものとする。

3つの設定MAP

純正コントローラーと同じく右スイッチボックスのマップスイッチによって、3つの設定を切り替えられるんですが、この割り当ては自由に変えられ、ECOだから遅い設定しかできないということはないです。

このマップスイッチの割り当て、元の割り振りは安全面では妥当だけれども、レースユースではちょっと使いにくいので、以下のようにしています。

  • SPORT(下から上): 緩め、マディ向け
  • ECO(プッシュ): 普段使い
  • DAILY(上から下): アグレッシブ

というふうに割り振ってます。というのも、SPORTの切り替え操作を、運転中に右手の親指一つでやるのがとてもやりにくい。素早く切り替えらるのは、そのままPushのECOか、上から下への操作のDALYくらい。

さらに、ハードエンデューロ系で使っていると、ヒルクライムで体がスイッチに接触して、途中でECOモードに切り替わり失速することもしばしば。

そんなわけで、今のところ上記の設定です。

基本設定(出力)

Motor current

モーターを駆動する時のピーク電流の設定、モーターの加速時のトルクに影響します。最大速度・出力には影響しません。400〜800Aくらいの範囲でお好みで。

クロスカントリーだと800Aでもいいんですが、レース後半疲れてくるとアクセル操作ミスで振り回されるので600Aに落としたり。

ハードエンデューロだと普段600A、ヒルクライムやここ一発のときは700〜800Aに。自分のスキルじゃ800A使いこなせないんですよねぇ。でもヒルクライムでは600Aじゃ不足。

雨のマディーレースだと、400Aとかに落とすと加速時にラフにアクセル全開にしても、泥をあんまり掻かないでジワジワ加速するので便利です。

Battery current

バッテリーから引き出す最大電流=最大出力。2024以前のモデルの純正バッテリーでは230Aが最大です。複数MAPを用意する場合でも、基本的に全部230Aにしています。操作感の切り替えは、Motor currentと次に述べるスロットル設定がメインです。

Est Powerで対応するkW値が出ますが、後半バッテリーが消耗して電圧が下がってくると、Est Powerよりももっと低くなります。

RPM

特に理由がなければ♾️/♾️(制限なし)。

適切に値を設定したら、もしかしたらタイヤ空転時の無駄なスリップや電力消費が抑えられるんじゃないか?とも思い始めていますが今のところ未検証。

Field weakening(speed oc)

エンジンだとポンピングロスとかピストンスピードとか、様々なロスにより回転数が頭打ちしますが、モーターにも似たような要素があります。

よく知られているように、発電機とモーターは構造がよく似ています。モーターの回転数を上げたとき、実はモーターは発電も同時にしています。回転数が低い間は無視できる程の電圧ですが回転数が高くなってくると、発電による電圧とバッテリーからの電圧が拮抗し、それ以上回転が上げられなくなってしまいます。

Field weakeningでは、通常のモーター駆動の制御に加え、永久磁石の磁力を弱めるための電流も流します。その結果、回転によって発電する電圧を下げることができ、より高い回転数まで回せるようになります。

10~20Aくらい設定するだけでかなり効果を実感できますが、追加の電力が増えるためモーターの発熱も増えるので注意。しかも、実際に流れる電流がBattery current+Field weakeningの合計になるので、230Aの制限を超えて電流が流れるので注意。

海外の掲示板の情報をみると「0A>1Aに設定するだけで制御ロジックが変わり効率が上がる」というのがあったので1Aにしてますが、実際のところはよくわかりません。

THROTTLE SETTINGS

Throttle response

デフォルト設定では一番左端に設定されていますが、まず触るべきはこれ。実際のスロットル入力に対し、モーターへの指令をなめらかにする処理。モーターは反応が良すぎるので、なめらかにせずにダイレクトにモーターコントロールすると、まともに走れたもんじゃない。初期状態の一番左だとダルダル。おすすめは真ん中か、真ん中より一つ左。

Throttle curve

いわゆるハイスロ的な設定、でも物理ハイスロとはちょっと違う。ハイスロだと全開時のスロットル回転角度自体が減るけれども、電子的な制御だとそれができないため「前半ハイスロ、後半ロースロ」か「前半ロースロ・後半ハイスロ」のどちらかにしか振れない。私は0%。

Dead zone

スロットルの遊びを電気的に設定。UltraBeeは電子スロットルなので遊びが存在しないので、それを電気的に設定。スロットルオフ時の回生ブレーキを使いたいなら、最低でも5%は必要です。

Brake lever/thmb response

ブレーキかけた時に回生ブレーキを利かすまでの遅延。強めの回生ブレーキを設定していると、短すぎると急ブレーキがかかるような感触になり扱いにくいので、0.5sec前後で設定するのがおすすめ。

PERIPHERALS

主に回生ブレーキに関する設定。

そもそもの注意として、回生ブレーキ機能はバッテリーSOCの状態に大きく影響を受けます。だいたいSOC75%あたりまでは全く回生ブレーキは機能しません。75%あたりから徐々に効き始めて、65%あたりでようやく設定した回生ブレーキがフルに効き始めます。

強めに設定していると、バッテリーのSOCによって変わる操作フィーリングに戸惑うことになります。

Reverse phase current

下の方に設定がありますが、まずは設定すべきはこれ。Mortor currentベース(感覚的にはトルク)で回生ブレーキの電流のピークを制限します。

100Aだと「お、なんか効いてるな」と誰もがわかる程度。最大の250Aとかに設定してスロットルオフの回生有効にしていると、スロットル戻すとリアがロックするくらい効きます。

実は回生ブレーキの最大リミットはBatterycurrentベースの設定もあり、それは後述のADDTIONAL SETTTINGSのほうにあります(わかりにくい・・・)。

Throttle release/Brake lever/Thumb regen

各入力ごとの設定値。基本的にReverse phase currentの設定で制限されます。

ADDITIONAL SETTINGS

CURRENT

Battery currentベースの回生ブレーキの制限値。回転数が低いときはMotor currentベースの制限値が主に効きますが、回転数が高いときはこちらの制限が優勢です。

デフォルト値は20A、バッテリーの種類に応じて設定しろってあるんですが、2024以前のモデルに付属する充電器がおよそ12A。

そこから推定すると、純正のバッテリーの充電受け入れ能力はそんなに高くないのかもしれません。あんまり高い値を設定すると、バッテリーにダメージが入りかねないので注意。


Motor currentとBattery current

Motor current=ピーク電流/トルク、Battery current=平均電流/出力(PS/kW)と思って差し支えないです。

低回転時は平均が低いのでMotor currentいっぱいまで電流流せますが、回転数が高くなってくるとBattery currentの制限内に収まるようにMotor currentが抑制されます。

なので、Motor currentをいくらいじっても最大出力には影響ありません。

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