湿式エアクリーナーエレメントについての考察

湿式フィルターと台所用スポンジ
オフ車ではおなじみ,公道用でもロードバイク含め昔は採用例が多かったけど,今ではすっかり乾式ばかりに。でもよくよく考えると,これ公道用車に使っちゃまずいんじゃないの?という気が。その筋では常識かも知れないけど,今更ながらに気付いた事。
湿式では,スポンジの目よりも細かい異物については,スポンジに塗られたオイルに,異物を「吸着させて」いる。異物を吸着すると,1度吸着した所は先に付いた異物が邪魔してほかの異物が付かなかくなる。でもスポンジの目が詰まる程じゃ無いんで,空気の流れは若干は悪くなりつつもそのまま流れる。つまりは,エレメントの汚れが進むと空気の流れが阻害されるんじゃ無くて,異物を取り除く能力がどんどん落ちて行き,異物がスルーする確率が上がっていってしまうんじゃないかと。
スポンジの目よりも細かい異物というと相当細かい砂とかになるんだろうけど,デザートレースなんかで,事前に良く洗ったエレメントに交換したかしないかで,エンジンに砂が入ってエンジンがストールしてしまったなんて事例もあったりする。
一方で乾式は濾紙で「濾しとって」いるんで,汚れが進むと空気が通りにくくなっても異物がすり抜けてしまうことは無いっぽい。
RR4T125LCが乾式なのはメーカーの良心なんじゃないかな…と。今時の国産オフ車を見ても,湿式なのはKLXとWRRで,CRFLとSerrow/Trickerは乾式。KLXは出自が「戦う4st」だしWRRも言わずもがな。他が乾式なのもターゲットユーザーを考えれば頷ける感じ。
そんなわけで,湿式フィルターの清掃をこまめにやんないのは,吸気効率がどうとかパワーがどうとかそういう問題じゃ無くて「エンジンぶっこわれるぞ」と。

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フロントサスのバネレート考察

切っ掛けはYZ250FXとTE250の比較から,なんかデータ集まってきたんでちょっと考察。キャスター角とか違うからその辺りで影響もあるだろうけど,とりあえずバネレートで比較。
重量については車重+人(60kg)+装備(10kg)としての総重量で記載。ハスクとベータは乾燥重量しかなかったからざっくり+10kgしてます。RR4T125LCとCRF250Lは片方しかスプリングが入ってないので,便宜上半分として記載してます。

YZ250FX		184kg	318mm	F4.1N/mm R48N/mm
YZ250F 173kg 318mm F4.6N/mm R54N/mm
TE250(10) 186kg* 300mm F4.2N/mm R51N/mm
TE250R(13) 189kg* 300mm F4.6N/mm

RR4T125LC 185kg* 260mm F3.5N/mm(k=7.09(7.09N/mm?)の片側のみ)
KLX/D-tracker 206kg 255mm F3.5N/mm
CRF250L/M 213kg 250mm F3.5N/mm(7.06N/mmの片側のみ)
WR250R 202kg 270mm F4.5N/mm

WR250X F4.6N/mm
WR250R ED用 F4.1N/mm
D-tracker X F5.5N/mm

RR4T125LCのフロントがちょっと柔らかすぎかな〜って思ったけれど,重量を考えれば硬めではないけれどもさほど柔らかすぎる訳でもなさげな感じ。とは言え,レースでガシガシ走るにはややバネレートが足りず,やっぱりファンバイクな感じです(良い意味で)。
一方,国産トレールに目を向けると各社の思惑が見えて興味深い。
WR250Rが相当硬め。ロードバイクとして通用する硬さ(モタードのXに至ってはさらに硬め)で,オフロードで生かすには相当なペースで走らないと…っていう硬さ。いきなりコース走っても破綻しないと言われる所以がコレかも。初めから上級者ターゲットっぽい感じ。かの鈴木健二がWR250Rをエンデューロレースで使用したときでさえ,4.5N/mmは硬すぎて4.1N/mmにしていたそうな。初心者が吊るしのまま林道にふらふら行ったら「サス硬い・車重軽くない・足付かない」の3重苦で一発でオフロードが嫌いになりそう。一方で街乗りや峠でちょっと気合い入れると結構走れちゃう…そんな感じ?
一方でKLX(250ccのほう)は3.5N/mmと,この辺りがオフロード入門モデルのスタンダードっぽい?でもペース上げていくとすぐに物足りなくなりそう。モタードモデルのD-Trackerに於いては,昔はKLXと同じバネ。で,柔らかすぎるという批判を受け,D-TrackerXになって5.5N/mmまで上げたら今度は硬すぎる(笑)ということで,4.4N/mmあたりのソフトスプリングが社外で出回っているとか。やることアバウトすぎ…。
CRF250L/MもKLX250と同じ3.5N/mm(相当)だけど,コレ重量考えたらちょっと柔らかすぎ?試乗会で調子に乗ってちょっとハードに前輪荷重で曲がろうとしたら,えらく切れ込んで少し怖い思いしたのはこのせいだったのかな?でも「初めてオフ車買いました!」みたいな人には,速度上げない前提だとこのくらい柔らめでダンピングしっかり効かせた方が良いかも。でもモタードモデルも同じというのは,ちょっと頂けない感じで,ソコ手を抜くんだ?感。
結局最適解は個人の好み・走り方・体重によってまちまちなんだろうけど,メーカーとして「どういう人向けに仕上げました」ってのが読み取れた感じ(カワサキ除く)。
8/21追記:ストローク長についても追記してみた。レーサーとトレールの差がはっきりと出た感じ。WR250Rは短いストロークをバネレート上げてレーサー並にしようとしてる気がしないでも無い。

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オフロードギア考察

オフロードギア一覧

日本に於いてオフロードバイク乗りがいかにマイノリティなのかがよく分かる表。舶来物ばっかりだけど,そもそも日本に作ってるメーカーが無いだもん。
ヘルメットに関しては日本製だけど,ぶっちゃけ日本製は「最高級品」しか無いのが現状。別にバットで叩いて割れるような粗悪品を勧めるわけでは無くて,必要十分な安全性と快適性をそこそこに確保しつつそこそこの価格…となると,海外製しか選択肢が無かったりする。でも頭の形って欧米人と日本人で違うんで,やっぱり海外製だとフィット感がイマイチらしい。
ゴーグルに関してはスキー向けが流用出来るもんだから国産もある感じ。SWANSも悪くないけど,Progripは視界が広い(ゴーグルがデカい)のと,モデルチェンジしてもスペアレンズが全機種共通なんで,敢えて愛用しています。
わりと頑張ってるコミネ。コミネマンなんて揶揄されるけど,海外製を排除してまともにプロテクター類を国産で揃えるとコミネばっかりになるという現実。でもやっぱり国産はデザインがとにかく地味だし,そもそもデザイン面で選択肢が無い(コミネの黒一択)。
そんなわけで首から下のギア類が,国産はほぼ全滅。ブーツのガエルネは特殊な例で,輸入元の努力で日本人足形を使った日本向け仕様で作ってます。ありがちな欧米人と日本人の体格差の影響無く使えたりするし,輸入元でちゃんと補修もやってるんで国産(あるいはそれ以上?)のアフターサービスを受けられます。
オフロードジャージなんて,履いてるウチにどんどんボロボロになるし,転んだら破れるしで消耗品なんだけど,これも国産が全く無い。これこそ国産で作って欲しいところ。
とはいえ,長期の円高で「わざわざ国産で作るより買ってきた方が安い」という状況が続く中,どんどんバイク業界全体が縮小していって,いざ円安になってみたらオフロード界隈どころか国内バイク業界自体がどうなの?って案配。
気がつけば所有バイクが外車ばっかりなわけですが,「日本にはバイクの4大メーカーが−!」とは言っても少なくともオフロードに関しては,日本メーカーの製品がいまいちなのが合点がいった気がします。

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終戦の日

とりあえずポジション表明させてもらうと,憲法9条改正/集団的自衛権容認派です。
今年は戦後と安全保障について,色々と再考させられる年だったと思います。
右寄りだけれども,太平洋戦争の辛苦を聞いたり過去に聞いた事を思い返す度に,頭の中で心情的に辻褄が合わなくなる。心情的に辻褄を合わすと,論理的に辻褄が合わなくなる。けっきょく世の中は矛盾だらけの中で選択して行くしか無いんだろうな,と。
今の戦争は昔のそれと大きく様変わりしてしまったけれど,それでも右・左関係無く,太平洋戦争の記憶は脚色すること無く「事実」として忘れてはいかんと思う訳で。

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