人生という名の酷道で遭難中

前の巻の伏線が，一斉にばぁってはじけて，さらに「まだまだ終わらんよ」な感じ。
で，この巻における最大の起承転結の「転」の部分が，派手な戦闘シーンじゃなくて登場人物達の普通の会話の中に唐突に出てくる数行の台詞で表されていて，それが予想外だったもんだから読んでる方も台詞の内容読みながら，
(　ﾟдﾟ)
(つд⊂)ｺﾞｼｺﾞｼ
(；ﾟдﾟ)
(つд⊂)ｺﾞｼｺﾞｼ
　　_, ._
（；ﾟ Дﾟ）
っていう状態に。
そういうのがこの作者の上手いところなのかもしれない。

いじめを中心に描かれているけど，たぶんいじめの話では無いと思う。
いじめを切っ掛けに壊れていく人たちや，元から壊れていた人，そしてそれぞれの事情。誰が加害者とも被害者とも言いきれないような感じで，ただただ物語は絶望へ向かって進んでいって何一つ希望が無いんだけど，読んでいても「ああ，そうなるしかないよね」と思ってしまうような悲劇。でも書き下ろしの後日談を読んでいると，誰も救われなかった結末にやるせない気持ちになるような…そんな感じ。
同作者のハイスコアガールはなにかと有名らしいですが，まだ読んでない。でもどっちかというと，焔の目のほうが気になるかなぁ。

アマゾンのお勧めに出てきてて，買おうと思ったら売り切れで，中古品がプレミア価格になってて，気になりながらも「プレミアで買うかﾊﾞｰｶﾊﾞｰｶ」って思ってたら，再販されたので。
書評にオムニバスってあったので，もっと断片的なのかと思ったら違って，日常系っぽい感じ。ホテルに関わる主要な人物が何グループかいて，その人達を中心に話が回っていくんだけど，群像劇ってほどでもない。なんかいろんな事が軽くて，暗殺者やら悪魔やら魔女やらヤクザやら出てきてもどれも軽くて重い話ではない。かといってギャグって言うほど気も効いていない。
嫌いじゃ無いけど，掲載誌で見たら必ず目を通すけど単行本までは欲しいと思わないような，そんな感じ。