規格化された当時は、その筋のエンジニアから見れば「なんてチャチなコネクタなんだ」っていう感想が出るようなUSB-Aコネクタ。
だって、無駄にでかいし、挿抜時のクリック感もない。挿抜回数の耐久性も怪しいもんです。
同時期に規格化されたIEEE1394(FireWire)もUSB-Aコネクタとやや似た構造でしたが、その筋のエンジニアが沢山居る家電業界からは「こんなコネクタ使えねぇよ!」って事で、早々にi-Linkと名前まで変え、電源供給機能は「危なっかしくて使えねぇよ!」って事で削除して新しいコネクタが作られる始末でした。
何がダメかというと、家電をはじめとした一般消費者向け製品の通信コネクタとしてはそもそも無駄に大きすぎるのと、通信コネクタにしては不必要なくらい大きな電極。コネクタの中で電極は比較的高コストの部品なんで、出来るだけ減らしたいわけです。
まぁどちらも、PC業界としては製造技術の拙い業者でも簡単に作れるように腐心した結果なので、これはこれで意味がありました。
まぁそんなわけで今から30年近く前の1996年に規格化されたUSB-Aコネクタですが、なんだかんだで壁のコンセントに用意されるくらいにまで普及しました。
一方で今ではUSB-Cの採用がじわじわと増えています。構造的には当初、家電業界が望んだような仕様になってます(適切なサイズ・電極・挿抜耐久性)が、主にスマホの要望を反映したものでしょう。
今ではすっかり「電源供給端子」としての役割を持つようになったUSBですが、ちょっと待てよ?と。
「電源供給端子」というのは、電力を供給するわけだから誤って異物噛み込みで短絡とかすると、発火・発煙事故になりかねません。そのような事故を起こしにくくするには、なるべく「大きな端子」「端子館の距離が遠い」ことが望ましいわけです。そう、例えば AC100Vコンセントのプラグみたいな…。
あれ?それってUSB-Aの方が向いてたんじゃね?
USB-Aコネクタ、なかなかに乱暴に扱っても壊れることが少なかったんですが、USB-Cってその辺りはどうなんでしょうね?まぁ安全性に関しては、回路側で保護入れる事になってるので「ちゃんと規格通り作られている限り」は、問題ないと思います。
規格通り作られてない妖しいやつは知らんけど。
USB-Cは相手が繋がれるまでは給電しない仕組みが規格化されています。
具体的にはCC端子の挙動を給電側が見ています。
なので、モバイルバッテリやPCは給電側、電力受取側の双方になる事ができます。
自作関係ではUSB-Cトリガデバイスなるものを用意しないと作った機器が電力を受け取る事ができません。
バイクでシガーコネクタを標準搭載したスクータがあったりしますが、そのうちUSB-Cが付いたりするのでしょうね。