ソーラーパネルの接続に使うヒューズ

ちょっとパネルの配線の取り回しに気に入らない箇所があったので、一度パネル下ろして取り回し変更。その時に外しました。

最初はよく考えずに入れてましたが、よくよく考えたら「すっげぇ無駄なんじゃね?」と思った次第。

バッテリー積んで充電目的の人にとっては「買ってはいけない」製品っぽい。

ソーラーパネルの出力じゃぁ短絡してもヒューズは切れない

例えば今回使用したRenogyのRSP-200Dだと、定格での最大出力時10~11A弱くらい流れます。と言う事でヒューズの定格も、少なくとも11A以上必要なわけです。

一方で、仕様に公称短絡電流 ( Isc )が11.05Aとあります。仮にパネルが1,000W/m2の照射をもれなく受けられたとしても、ショートしても11.05Aしか流れないことを意味します。

ヒューズって短絡時に通常よりも大きな電流が流れることを期待して切れるんですが、ソーラーパネルの場合は通常11A弱に対して短絡時11.05Aと殆ど差が無く、ヒューズを切るだけの電流を流す能力が無いのでヒューズが切れません。さらに、ソーラーパネルの出力が落ちていると、ショートしたときの電流は更に下がります。

一応ソーラーパネル用として出ている他社のヒューズの仕様を見ると、切断時の保証値が定格の1.35倍。つまり10A定格のヒューズを使っても13.5A以上流れないとヒューズが切れません。

つまり「うっかり短絡したときの保護」には何の役にも立ちません。

ソーラーパネル用のヒューズの用途

じゃぁ何のためにあるかというと…、

基本的に売電システム等、冬季にソーラーパネルが定格電圧を超えるときに有用な保護となり、ソーラー蓄電システムではあまり必要はないと思います!

チャージコントローラーの入力電圧ギリギリでお使いの方は、便利に使えるのかも知れませんが、コントローラーには過入力保護機能がありますので、あまり必要のないヒューズとなります!

https://www.chikuden-sys.com/specification.asp?id=12990

と言う事で受電側の容量がギリギリで「天候によってうっかり出力が増えたときに受電設備を保護する」対策であり、車載のような小規模な蓄電システムでは、チャージコントローラの容量に余裕見てれば不要みたいです。

短絡したらどうなるの?

  • パネルが異常発熱する!
    • しない。だいたいパネルから出てきたエネルギーがパネルにもどるだけで、そのエネルギー源は太陽光。太陽光で熱せられる以上の発熱は無い。
  • 太陽電池が壊れる!
    • 壊れません。
  • ケーブルが過電流で焼ける!
    • 焼けません。仕様にある公称短絡電流 ( Isc )が流れるだけ。通常、定格動作に耐えうるケーブルを選択していれば焼けない。
  • 短絡箇所が発熱する
    • これはその可能性はあります。でもそうなっても、定格と同等以下の電流しか流れないので、そもそもヒューズが切れないのでヒューズで防げません。

そんな訳で、うっかり無駄なものを買ってしまいましたよ…と。

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