マッシュルーム栽培

過去にヤコウタケ栽培キットで2回も失敗しながら性懲りも無く、またキノコやってます。でも、2回のヤコウタケ栽培に失敗して、きのこについて色々と学びはありました。

水分管理

キノコの栽培にとって水分管理が重要ということが分かりました。実際には温度と湿度なんですが、温度のコントロールは温度計で一目で分かるので分かりやすい。でも湿度の「過不足無く」が中々難しい。

根を持つ植物のようにザバーと水を掛けるのはダメらしいです。土の中に張り巡らされている菌糸自体が本体なので濡れすぎると窒息してしまうとか。一方で乾燥してしまうとあっというまに死んで(枯れて)しまいます。なので「常にしっとり」を維持することになります。

でもそれはきのこが発生するまでの話で、きのこが発生するとけっこう「じゃばじゃば」と水が必要なる、ということが過去の失敗から得た経験。

きのこの80~90%は水分なので、きのこの発生が始まると水分の消費が激しくなるようです。過去の失敗ではいずれも、極小さなきのこが発生するところまでは行くのですが、そのまま小さなきのこを枯らしてしまっていました。

今回は「小さなきのこの芽?が見えたらジョウロで1回50ccを二日に分けて2回水やりする」と手順書に正確に書いてあったので上手くいきました。

ずっと水やりをするのではなく、このときに2回水やりしたらあとはきのこの収穫が終わった次のターンまで水やりをしません。このタイミングで成長に必要な水分を正確に与える必要があるそうで、栽培業者の資料を見てもこのときの水分量はなかなかに難しいものだそうです。

菌糸のきのこ発生前と発生後

そもそも、きのこを含む菌類というのはカビみたいな「菌糸」の状態が本体。そこからきのこ(子実体)を発生させるんですが、きのこが生える時というのは菌類にとっては一大イベントで、本体の菌糸の活動状態も大きく変わります。

きのこ発生の時って、きのこが生えている部分だけが活発に活動しているんでは無くて、その下にある菌糸の塊がフル回転して地表のきのこ部分に栄養を送りつけているとか。そうなると、それまでと必要な水分量も違ってくる。その変化を見逃すと水分が不足して「芽が出来たけど大きくならない」となるようです。

よく雨後の森の中を歩くと、あちらこちらにキノコが生えてるやつ。アレがまさにそうで、キノコを作るためには大量に水を消費するようです。

マッシュルームを水で洗ってはいけないは迷信?

個人的には洗うかどうかで言えば「洗わない」ですが、そもそも「洗えるのかどうか」というのは気になりました。

もうあちらこちらのサイトで「マッシュルームは洗ってはいけない」の大合唱。その理由は風味や栄養素が水に流れ出して味が悪くなる…と言うもの。

しかしこういうブログもありました。

169gのマッシュルームを流水でよく洗い、その後の重量変化を調べます。

洗った後のマッシュルームの重量は176g。つまり7g、水を吸い込んだ計算です。思ったよりも水を吸い込んでないことがわかりますね。スポンジのように水を吸うという考え方は誤りなのです。そもそもマッシュルームを顕微鏡で見るとスポンジのような多孔質にはなっていません。

というか、むしろ洗った方がおいしく調理できるのです。その理由はその後の加熱。この工程で水分が蒸発し、キノコが自身の持つ水分で蒸された状態になり、効率的に加熱が進むから。吸い込んだ水分は結局蒸発するので、味が薄くなるようなこともありません。

マッシュルームは洗ってはいけない? 樋口直哉(TravelingFoodLab.)

実際に水につけてみたけど、殆ど水吸わないし味も変わらないという。他にも、水につけたときの状態を他のキノコと比較した例もありました。

実際にどの位水分を吸うのか調べた実験によると、舞茸・しめじ・えのきを水洗いして、ザルとペー パータオルで良く水気を切って重さを量ってみると、約50%の量の水分を吸っていたそうです。 そして、洗った水にはきのこの香りが流れ出ていました。

ただし、マッシュルームは水分を吸いにくく、吸っても2%ほど。むしろ、調理するときに水分が 水蒸気となってかえっておいしくなるので洗った方がよいという意見もあります。

「にこにこ通信」戸辺食品工業

つまりは「きのこによる」と言うこと。一律に全てのきのこが「水で洗ってはいけない」と言う事では無いっぽい。きのこだって種類によって特性が違うわけです。

まぁ、そもそも「マッシュルームを水で洗ってはいけない」を疑うきっかけになったのがこちら。

収穫後は、ひとつずつ根を切って、水洗いした上で出荷しているため、お客様は納品後すぐに使うことができます。これはホテルからの引き合いが多かった時代の名残ですが、お客様に喜んでいただいているため、いまでもこの出荷方法を続けています。

「髙梨さん – マッシュルーム」レストランコウ

ホテル向けに出荷してるプロが洗ってるんですわ。

参考文献

  1. 担子菌きのこの子実体形成の分子機構/宍戸和夫/生物の形づくりのメカニズム/2002
  2. きのこの育成と栽培/大賀祥治/九大演報/2004
  3. 「マッシュルームは洗ってはいけない?」樋口直哉(TravelingFoodLab.)/2019
  4. 「にこにこ通信」戸辺食品工業/2018
  5. 「髙梨さん – マッシュルーム」レストランコウ
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