電動キックボードで話題の件。
まぁ、新しい乗り物が増えて利便性が良くなること自体は、素直に喜ばないと…と思ったり。
4輪の邪魔になるとか安全性がとか、確かにそれは重要だけど頭ごなしに否定から入ったら老害の始まりかな…と。どう安全を確保するか、の方法論次第。
そうは言う物の、法案の素案が自転車扱いで免許不要というかなり踏み込んだ内容で、かつ、現状の交通状況を踏まえると不安はあります。
走行する速度
現状でも自転車が歩道を走ったり車道を走ったりしているのを見ていて、わりと「速度」が重要だと思うのです。
歩道6km/h以下、車道20km/hだそうですが、どう守らせるのかの手段が気になるところ。ナンバー付けさせて保安基準は定めるそうなので、どういった基準になるのか興味津々です。
「小型低速車」の規定
多くのメディアでは「キックボードなどを想定した」と書かれていて、もうキックボードの事しか書かれていないんですが、どこにもキックボードに限定するなんて書かれていない。
車両規定が長さ190cm以下/幅60cm以下とありますが、これ、自転車の車両規定と同じなんです。実は自転車にもちゃんと車両規定があります。
「キックボードのための規制緩和」という狭い視点じゃ無くて「低速で自走可能な乗り物全般」と理解する方が自然だと思います。
(色々会議の資料を見ると、初期の会議では小型低速車の規定の中に「4人乗りのEVマイクロカー」なんてのも免許不要で入れろーって要望もあったようです。まぁ却下されて妥当かと。)
今までは「自走可能な乗り物はすべて原付以上」という扱いが、「自走可能だが自転車相当の能力で自転車相当の車格であれば自転車相当に扱う」という緩和内容なんだと見ています。違うかもしれんけど。
検討会議の資料には低速小型車の中にセグウェイも載ってましたが、セグウェイ登場から20年近くかかってようやく法律の改正が追いついた…って遅いなぁ。
キックボードの危険性と行政・自治体への訴訟
話を小型低速車全般から、キックボード固有に戻すとして、ネットには早速キックボードの危険性について色々上がってます。よく目にするのが前輪が小さい為に、段差につまずくと前転してしまうと言うもの。
キックボードは速度を切替えることによって、歩道は6km/h、車道は20km/hで走行できるようになるようです。
発案側としては「凸凹の多い歩道は十分に速度が低いから危険性外低い」「車道は整備されていて凸凹が無いから速度を上げても危険性が低い」だいたいそんな意図なのかと思います。
皆が知っての通り、国道はまだしも都道府県道、市町村道に至っては穴ぼこや段差は放置され放題。地方自治体の能力や予算の都合もあるでしょう。
そんなわけで「補修されていない道路の欠陥に基づく訴訟」が増えるのでは?と。今まででも自転車で事故起きて道路管理者が賠償責任を負うパターンがいくつかありました。
道路欠陥に起因する事故が増えたところで、悪いのは規制緩和した警察庁ではなく、そもそもの道路欠陥を放置している道路管理者(≒行政・自治体)が悪い、という理屈に出来ます。
今回の規制緩和については、観光収入を増やしたい地方自治体の要望もあったみたいですけど、その当たりの自覚はどうなんだろう…と思ったり。