LiFePO4採用を公に謳っている珍しいポータブル電源なんで、せっかくなんで重箱の隅をつつくように見ていこうと思います。(ぉ
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2018/2からDC出力可能なポータブル電源は「モバイル電源」というカテゴリで電安法の対象になりました。
で、一応PSEマーク有りますがいきなり表記が怪しいです。
届出事業者名と電圧が載ってるのは良いとして、容量表記がNG。まず単位が違う。電力値(Wh)ではなく電流値(Ah)で書けよ…と。
そして「最大」って詐欺。正しくは「定格」で、5時間率にて実際に供給可能な電流、まぁtyp値。
あとAC出力が海外仕様の115Vになったまま。実測すると96Vくらいなんで、一応日本向け仕様にはなってますが、表記だけが間違い。
因みに出力波形はこんな感じ。バリバリ矩形波ですが、まぁこんなもんでしょ。おまけのインバーターに正弦波を期待するだけ無駄ってもんで。
分解
前側が充電/操作/USB系、後ろ側がACインバーターで真ん中に電池という構成です。どちらか片側に基板が寄ってるとおもったのでちょっと面食らいました。
主電源ケーブルが基板直付けなのは賛否が分かれるところですが、半田づけの状態も悪くなくポッティングしてあるのでまあ良いでしょう。電池側はコネクタ接続で、使用している電線も十分に太く不安は無し。(0.75~1.0sqくらい?)
主回路基板
バッテリ自体の電圧は、満充電で13.7V。電圧見る限り、確かにLiFePO4使ってそうです。
12V出力はDCDC変換通さず、On/Off用のPowerMOSFETと逆流阻止用のダイオードだけ通して、そのまま出力。
これだとDCDCより損失少ないはずなんで、先日実測した149Whというのがほぼバッテリーの実力ということになるかと。「最大」表記詐欺め…。
基板眺めてて気になったのは、あちこちで多用されるダイオードやFETの並列接続。あちらの国の設計で良く見るけど、これアカンやつ…。
部品毎の定格電流値が足りないんだろうけど、2つ並列接続しても2倍の電流流せないよ…。(ヒント:部品のばらつき)
最大出力で使うと、これらのうちのどっかから壊れそうだわ…。
電解コンは一応105˚C品。とはいえ、そもそもダメなメーカー製なら何使ってもダメなんですが。
昔電解コン使って設計してた頃は、アカンメーカーのブラックリストっていうのが設計にあったりしました。
AC出力コネクタ
ACプラグ差しても、ゆるゆるですぐ抜けるんですが…、マジで使えない。
試しにペンチで狭くなるように曲げて見ましたが、1回ACプラグ差すだけで端子が広がってもうゆるゆるに…。
本来こうあるべきなんすよ。
端子にあるぽっちみたいなのが、ACプラグのブレードにある穴に引っかかって抜け止めとして機能します。
また端子の材質も見て分るように真鍮バネ。バネ用リン青銅も良いのですが最近余り見なくなりました。
引っかけのポッチも無ければ、材質もバネ性の無い何か。生の銅ってことは無いだろうけど、たぶん何かの銅合金。だめだめ。
総評
まぁAC100V出力端子が機械的にだめだめなのを除けば、あとは期待以上でも無く以下でも無く…って感じでした。AC100Vは元々期待してなかったから、まぁ良いか…って感じで。
初めまして、詳しい内容がとても参考になりその知識・技術を羨ましく思います。
私は同製品をフリマで入手し、不足の付属品を自作しようと検討中の者です。
そのため12Vポートに適合するプラグの規格(入力・出力とも同じ?)を教えて頂きたくコメントさせて頂きました。
私なりに調べたところ”5.5×2.1”か”5.5×2.5”のいずれかと思うのですが如何でしょうか?
どうぞよろしくお願いいたします。