モバイル電源検討

主にレース会場で洗車機や扇風機回したりするのに、余ってるバイクのPbバッテリー使ってました。

ただ、先日導入した扇風機の消費電流がけっこう大きく(DC12V/約3Amp)て、いつものPbバッテリーでは容量不足を感じるようになり、更に高容量のバイクPbバッテリーか今時流行りのLi-ion内蔵したポータブル電源か…と思い検討してみました。

各種バッテリー比較

ざっくりと、各種バッテリーの容量あたり単価と密度を比較してみました。

価格は密林やらネット価格やら。

鉛バッテリーについて

やっぱり容量あたりの単価では圧倒的に鉛バッテリーが安いです。

特に自動車用の開放型なんてダントツで安いんですが、開放型は深めの充放電繰り返すと、どんどん液がへっちゃうからウチの用途には向かないんですよねぇ。

MFなら液が減らないので、深めの充放電で使っても数百~数千サイクルくらい使えるけど、一方でお値段高め。いずれにせよ車用は大きすぎて使い勝手が良くないので、結局はバイク用MFから探すことになります。

容量的には今(12V6Ah)の3倍くらいほしいな~って考えてるんですが、それだとYTX20L-BSになり重さが6kgを超えてしまう。

サイズはまぁ許容できても、重さが辛い…。

そんなわけでLi-ionを検討。

Li-ionバッテリーについて

Li-ionといっても色々な形態があります。

鉛互換Li-ionバッテリー

バイクや自動車の過酷な環境でも使えるようになっているからわりと安心?かと思うも、SKYRICHとか見ると容量のわりに異様に高い。
(ぶっちゃけ良い商売してるなぁ…)

一方で車用で探してみたら、まぁサイズ的に使えないんですが異様に安い。

いや、コレ安すぎる…って思ったら、レビュー見たら1年もたないとか中開けたらゴミ入ってたとか散々でした。

Skyrichは実際使っててトラブルも無いけど、如何せんコスパ悪すぎるので鉛互換Li-ionは却下。

Li-ionセル単体

Li-ionにも実は色々種類があって、情報機器や家電で一般的に使用されているLi-ionと、バイク・自動車用で使われているLi-ionは別種になります。

LiCo系

主に正極に使っている材料によって分類されます。LiCoなら、正極にリチウムとコバルトの化合物を使ってるということになります。

情報機器でお馴染みのタイプがこれ。他の業界ではその危険性から倦厭され気味。

ぶっちゃけ、LiCo系は原理的に熱暴走起こして爆発or炎上するリスクが有るんですよね。徹底した品質管理を頑張って回避はしてるんですが…。

なんで燃えるかというと、高熱になるとH2(水素)をぶしゅーッと吹き出すから。そりゃ燃えるわ…。

危険性があっても、後に揚げる2種類と比較してLiCo系が最も電力密度が高く、スペック至上主義な情報機器系では今更後戻りできない…って感じなんですかね。

そんなわけで、熱暴走のリスクが無いor低い品種のLi-ionというのが世の中には有ります。

LiMn系

電気自動車や電動工具で主に採用されてます。LiCo系みたいに燃えたりしません。LiCo系よりややサイクル寿命が短いのが課題。

ただ、製造メーカーが日系・韓国系ばっかりなんですわ。つまり、あやしい中華バッテリーとして、DIYユーザーがアクセスできる部品市場には流れてこないんで、入手が難しい…。

セルが入手出来ないなら工具用のバッテリー流用を…と考えてみても、メーカー純正は結構高いし何よりもコネクタが特殊すぎる。
(工具にガチャって付けられるように)

サードパーティの互換バッテリーだと安いけど、アレLiMn系じゃなくてLiCo系入ってんじゃないの?っていう気がするし却下。シランケド
(電圧ほぼ同じ)

LiFePO4系

元は米国のA123社が特許押さえて独占的に製造販売してました。Skyrichや幾つかのバイク用Li-ionバッテリーに入ってるのもこのタイプ。

LiMn系と同じく、原理的に熱暴走・発火のリスクが無く、さらにLiCo系よりも倍くらい長寿命で、正極材料が安いのが売り。(鉄Fe/リンP)

ただデメリットとして、LiCo系やLiMn系よりも電力密度が1〜2割低く、今時の高容量化の流れに逆行するのが微妙な所。

起電力が3.3Vと他のLi-ionよりかなり低いのが電力密度が低い所以なんですが、一方で4cell直結で13.2Vと簡単にPbバッテリー代替が出来ます。
(LiCo系だと3.7V*4=14.8Vと、ちょい電圧高すぎる)

電圧変換とか入れる余裕の無い、バイク用Pb代替Li-ionバッテリーで重宝されるわけです。

ただね、自動車向けバッテリー不具合の補償問題で2012年にA123社は経営破綻。その後、中華系企業に買収されました。

んで、お陰様で、中華系の怪しいルートからLiFePO4が個人でも買えるように。\(^O^)/

ただ、それでもセル単体となると、そもそも個人ユーザーでセル単体を欲しがるなんて変人なんで、あまり買えるルートがない≒販売価格が高止まり。

ポータブル電源と比較したら、電源回路が入っている分、電力密度は劣るけれども、ポータブル電源の方が安いやん…ってことでポータブル電源を検討することに。

ポータブル電源

っていうか、LiFePO4搭載してるポータブル電源というと1機種しか見つからず。

166Whの物しかなく、ちょっと容量が心許ないですが、他に選べるあてもなく。

そんなわけで、Beaudensと言うところのLiFePO4のポータブル電源に。

実測

消費電流が約3Ampちょいの扇風機に繋いで、扇風機が電圧降下を検出して自動停止するまでの時間を計測。

実際の消費電流は、Pbバッテリー接続時は3.2A、モバイル電源(B-1502-JP)接続時は、ちょっと電圧が高いのか3.3Aでした。

鉛バッテリーは2種とも10時間率では6Ahを謳いますが、3Aのやや高レート放電では実際に使える容量が半分くらいにまで減ることが仕様・実測共に分ります。

スターター回すだけの大電流引けても、中くらいの電流レートでだらだら引くにはあまり効率は良くないようで。

また、NTX7L-BSの方はほぼSpec通ですが、YTZ7Sのほうはだいぶ劣化が進んでいる事がわかりました。

一方の怪しい中華Li-ion。仕様では 166Whを謳ってますが、実質これだけ引けたらまずまずかと思います。

そもそも、ポータブル電源は内部の電源変換回路の損失が数%~10数%あるはずで、実際に取り出せる電力なんて、必ず内蔵の電池容量から損失分目減りするわけです。

にもかかわらず、内蔵する電池の容量表記だけでOKっていう、現状のザル規制のほうがどうかしてますが…。

更に言うと電池の容量表記にしても、普通は欧州電池司令に従ってmin.表記が一般的なんですが、日本国内のザル法に従えばtyp表示でもOKなんで、typで表示している可能性も合ったりします。

そんな訳で、実質で90%引けるというのはかなりマシな方なんじゃないかな…と。

結果的に、今使ってるNTX7L-BSの3倍くらいの容量もあるようです。

ただウチが買った奴は、いきなり充電用のACアダプタが不良品でしたけどね。さすが中華?

言えば一式交換出来るんだろうけど、ACアダプタ必要ないし面倒だからそのままにしたけど。

カテゴリー: 未分類 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です