切っ掛けは,摩耗したハスクのピストン交換。部品発注したらどえらい高いでやんの。なんでもPISTAL RACINGとかいう有名?らしいピストン専業メーカー製。この手の外車が高いのは,自社のサプライチェーンとか関係無く,良さげな他社部品を対等な関係でがんがん取り入れるトコ。一方で日本メーカーが固い絆で結ばれた自社サプライチェーンの部品メーカーに,「協力会社/下請け」という上下関係で徹底したコストダウンと高品質を求めるのと対照的。消費者としては安いのは良いけど,安さの追求による社会への弊害とかも考えるとなんだかなぁ。
一回の交換がかなりのお値段なんで,せっかくなら長持ちして欲しいと思い,主に耐久性向上を狙って流行りのWPC加工やらモリブデンショットを検討してみたら,色々と新しい知見が得られた。
よく言われる新車の慣らし。慣らしが必要と言いつつ,具体的に何がどうなって必要なのかという「根拠」が不明でずっと前から不思議に思ってました。可動部分のベアリングやギアなんて,非常に硬い素材でちょっとやそっとで摩耗や変形するような物じゃ無い。なのにたかだか1,000kmごときで完了する慣らしって一体何を期待しているのかと。そして,その回答のひとつ?がピストンにありました。
不二WPCの資料より。右側「表面処理別機関慣らし運転効果特性」を見ると,ベースピストン(処理する前の普通?のピストン)の所で数十時間で摺動抵抗が急激に下がっているのが見て取れる。どうもこれこそが慣らしに期待される効果っぽい。確かにピストンはアルミで柔らかいので容易に変形するし,エンジンの中で最も高速に摺動する場所だから納得がいく。今時の4輪車は慣らし不要と言われるけど,4輪車のピストンは最初からスカート部にモリブデンコートなりモリブデンショットが施されているのが当たり前で,それが慣らし不要の所以。主目的は摺動抵抗低減による低燃費化で副次的に慣らし不要になったというところかも。
2輪車の出荷状態ではまだあまり一般的ではないけれど,FITのエンジンを半分に切っただけといわれるNC700/NC750のピストンは,4輪車同様にモリブデンコーティングがされていました。これらは慣らし不要かも?
そんなわけで,ピストンに対するモリブデンショットは眉唾チューンではなくて,今時のエンジンでは当たり前の技術。インジェクション化の時もそうだったけど,2輪車は相変わらず4輪車に技術的に遅れているなぁ…感。コストの問題もあるんだろうけど。因みに,4輪車では一様なコーティングは既に時代遅れで,どのようなパターン(スズキアルトエコの改良例)にするかというのを競っているみたいです。
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