カセットガスのコスパを考える

g単価で比較したものは有り、なんとなく割高なのは分かるんですが、イマイチ感覚的にピンとこない。

液化状態でのリッターあたりの単価で灯油やガソリンと比較すれば、もっと直感的に分かりやすいんじゃないかと。

リッターあたりの熱量はカセットガスのLPGがだいたい7Mcal/L、ガソリンが8Mcal/L、灯油が8.7Mcal/Lくらいで、同じ体積だとLPGがちょっと見劣りますが、ま、だいたい同じとして。

あとLPGはブタン/イソブタン/プロパンの配合比率がそれぞれ違う訳ですが、熱量としてはほとんど差異ありません。(厳密にはちょっとだけある)

種類価格情報液リッター価格
オートガス一般掛け売り
店頭販売
¥77.7/L
¥84.5/L
家庭用LPガス全国平均@2020
の従量価格
ガス1m^3あたり¥548
¥145/L
カセットガス(最安値?) 1本250gあたり¥83.3¥195/L
カセットガス(100均)1本250gあたり¥110¥257/L
イワタニ(オレンジ)1本250gあたり¥167¥394/L
EPIgasレギュラー(OD)470gあたり¥575¥705/L
プリムスレギュラー(OD)470gあたり¥660¥829/L
EPIgasパワープラス(OD)470gあたり¥685¥815/L
プリムスハイパワー(OD)470gあたり¥891¥1,068/L

オートガス

タクシーで使ってるアレです。成分は「ブタン8:プロパン2」と、キャンプ用寒冷ガス(オールシーズン対応)よりちょっとプロパン多めな感じです。

ガソリンより安いっちゃぁ安いですが、そんなに劇的に安いわけでもない。

タクシーで良く使ってるのは、ガソリンよりも価格変動の影響を受けにくいとかそんなんですかね?知らんけど。

家庭用LPガス

高い高いと言われている家庭用LPガスですが、従量単価の時点でガソリンや灯油よりかなり高い。既に灯油の倍近いよ?そして、灯油より2割ほど熱量が低いLPG。灯油の優秀さが際立ちます。

LPガスの基本契約料や設備利用料抜きの従量価格部分のみですが、そりゃまぁ配送コストとか乗ってる上に、オートガスとは配合が違うのもありますが、それにしても高すぎない?

カセットガス

一般的に手頃に入手可能なのは、100均とかで売ってる奴。たかが1本110円とは言え、これでも既にガソリンの倍、灯油の3倍くらいの価格。全く以て安くない。

最安値で売ってるところを調べると、3本で¥250とか。ネットで調べた限り、ケース買いすると1本110円よりも高くなって不思議な感じ。送料と危険物の関係かね?

余談だけど、最安値だと普通にプロパンガス契約するのと比較して、ガス使用量次第では基本料金とか考慮したら安くなるんじゃ?という気も。

イワタニ(オレンジ)

先日ホームセンターで、イワタニのガスが3本500円で売っていて、これは安い!と思って買ったわけですが、もう100均ガスの時点で価格の感覚がおかしかったわけです。

¥394/Lの燃料ってどんだけ高価なんよ?

OD缶いろいろ

寒冷用のプリムスハイパワーとかEPIgasパワープラスとか、同じOD缶のノーマルガスよりそんなに高くないよね?って思ってる時点で騙されてました。

レギュラーガスの時点でOD缶、めっちゃ高いよ。

因みに、プリムスレギュラーとEPIgasパワープラスが、同じ重さで価格と単価が逆転するという面白い事が起こってます。これはガスの比重の違いによるもので、同じ470gだとプロパンを多く含む方が少し体積的に多くなるため。

じゃぁプロパン多い方がお得か?というとそうでも無くて、重量あたり熱量はあんまり変わらなくて、体積あたり熱量だけ下がるもんだから、結果として同じ重量なら1缶あたりの熱量は殆ど替わりありません。


OD缶のノーマルガスはCB缶と殆ど同じガスなのに、寒冷用よりも少ししか安くならない為、かなりコスパが良くない様です。

一方で寒冷用ガスとの差額がそう多く無いので、OD缶をたまにしかキャンプで使わないならば、迷わずハイパワーガスやパワープラス買った方が良さそうです。

燃料としてコスパを考えたら、やはりガソリンや灯油が最適なんだ…という当り前の結果ですねぇ。

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キャンプ用ガスについて考える

tanikiryo.com CB・OD缶の価格一覧!一番安いのは?キャンプに持っていくなら??
https://tanikiryo.com/?p=1961

そろそろ出先で使うガスの在庫がなくなってきたので。

今はPrimsのハイパワーガスを通年で使ってます。前にCB缶のコン郎をOD缶に詰め直して使ったりもしましたが、ちょっと朝方涼しいだけで明らかにガスの出が悪くなりました。

一方で、SOTOパワーガスをOD缶に詰めて使った時は、何も問題有りませんでした。

安いガス高いガス、寒い時に出が良い悪いっていうのは、基本的にはブタン・イソブタン・プロパンの配合比率の差なんじゃないかな?と。

冒頭のブログでコスパについて記載あるのですが、じゃぁイソブタン30%のガスとプロパン10%のガスどっちが良いんだ?みたいな疑問がわいてきたので、配合比率で蒸気圧を計算してみました。

CB缶製品

品名の後の数字は[ブタン:イソブタン:プロパン]の比率。0℃以下の領域についてはブタンが沸騰しなくなるので、実際にこのグラフで正しいのか怪しい感じです。

単位は絶対気圧。1atmで大気圧と平衡になりガスが全く出てこなくなる事を意味します。それなりの勢い(火力)でガス出すなら、たぶん2atmくらい無いと実用にならないんじゃないかな…と。

コン郎

さて、激安で有名なコン郎ですが、ブタンしか入ってないためやっぱり圧力が低いですね。グラフ見る限り、暖かい部屋でヒートパネル有りの器具でないと使いもにならない感じ。まぁそういうものなんでしょうね。

以前に、カセットコンロを屋外(15˚Cくらい)で使用している時、コン郎では無いですが安物のCB缶で明らかにガスの出が悪くて、中火〜とろ火くらいになってました。その後、イワタニの缶に変えたら、勢いよく火がでるようになりましたが。

イワタニ(オレンジ)

それなりに何処でも使える、ちょっと上質なガス…ってな感じですかね。秋口の屋外利用もギリギリOKな感じ。けれど過度の期待は禁物。

ちなみにPrimsブランドで出しているキャンプ用のOD缶、ノーマルガスはこの赤缶と組成が同じ様です。

東邦金属ゴールド/SOTO・新富士パワーガス

それぞれイソブタン入れてるかプロパン入れてるかで組成が違うんですが、圧力は同じみたいです。ただ0℃以下になってブタンが沸騰しなくなった時の振舞が違うかも知れません。とは言え、そもそも0℃付近でガスはでても圧力が全然足りずまともに使え無さそうな感じです。

イワタニ赤缶よりは圧力高いですが、OD缶の寒冷地用ガスよりだいぶ見劣りします。なんかCB缶自体が高圧に耐えられる構造じゃないため、このくらいの圧力が安全上の上限だとか。

コスパの良いCB缶ですが、OD缶の寒冷地用ガスの代りには、ならないみたいですね。

OD缶製品

Primsノーマル/EPIgas

このあたりがOD缶の最低ライン。平地の秋口くらいまでは問題なく使えます。冬になると平地でもちょっと厳しい感じ。

EPIgasがちょととづつPrimsの上を行ってるあたり、意識してるんでしょうかねぇ。

ただ、ガスが減ってきた時にそれぞれの混合ガスが均等に減るのかどうか?という疑問もあります。EPIgasの場合、先にプロパンだけ使い切っちゃったりしないんですかね?とか考え出すと、Primsの方が最後まで持ち良いのかな?とか気になったりします。シランケド

Primsハイパワーガス/EPIgasパワープラス

一般に寒冷用として使うタイプ。

寒冷用ガスは夏場利用は圧力が高すぎるので避けた方が良いと言われてますが、このくらいまでなら大丈夫でした。イワタニ・プリムスの商品紹介でもオールシーズン用と紹介されてますし。

SnowPeak プロイソ

コレこそが本当の寒冷地用。

特筆すべきは、沸点が-0.5˚Cと高いブタンを全く含まない事。-10˚C以下でも余裕で使えそうなんですが、気温が高い方の圧力が凄い事になってます。

夏場使ったり、自動車の車内に放置したりすると危なそうです。

まぁ、普通の人は必要ない感じかと。

※追記:SnowPeakは基本的に成分非公表で勝手に配合が変わるようです。[0:85:15]という情報もあります。


まとめ

蒸気圧という数値で各ガスの能力が定量的にわかりました。また、CB缶のパワーガスはOD缶のパワーガスには及ばないと言う事も収穫。

一方で、蒸気圧は同じで、プロパン少量添加とイソブタン数割添加にどの様な差があるか…というのがまだよくわかんないですねぇ。


参考URL1:千代田精機 各種ガスの物理的性質 https://www.chiyoda-seiki.co.jp/data/c_pdf/295.pdf

参考URL2:カグラベーパーテック プロパン/ブタン混合ガスの蒸気圧 https://www.kagla.co.jp/support/data/157.pdf

参考URL3:【OD缶の全て】9社16缶の充填ガスの比率と比較、OD缶の小話あれこれ https://www.zetuenlife.com/entry/odkan

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数字4桁の暗証番号

「4桁の暗証番号≠パスワード」まずこれを理解して欲しい。

4桁の暗証番号だけでセキュリティとして機能するなんて考えている(またはそう良い張っている)の人達が未だに居る事に、あまりに稚拙で辟易とします。

オンラインバンクの振込が、口座情報と暗証番号だけで出来る、そんなザルシステムが存在し運用されていた事自体驚き。

数字4桁なんて、たかだか1万通り。しかも「よくある4桁の暗証番号」っていう統計が有って、それを上位から数個試すだけで相当に高い確率で暗証番号がHitします。

例の件、自前でシステムも組めず、無知な銀行側は「ドコモが悪い」って良い張るんでしょうかね?
※悪用出来るような架空口座作り放題だったドコモ側にも一定の瑕疵はあるけど…。

ドコモ側と銀行側で訴訟合戦やり合って、裁判で「オンライン取引で4桁の暗証番号だけでは十分とは言えない」とかいう判例出して欲しいところです。多分やらないでしょうが。


余談ですが、クレジットカードの4桁暗証番号、あれは自動販売機などの機械以外は、対面では絶対に使いません。サインを使った取引だと不正利用の際に補償されるけど、暗証番号を使った取引は原則的に補償対象外になるので。

たかだか4桁の暗証番号とICチップを使った認証が「高度なセキュリティ」ということで、不正利用される可能性が低いから・・・だそうな。

レジの暗証番号入力用テンキー、あんなもの周囲から丸見えで「どうぞ私の暗証番号を今から公開します」ってやっているようなもんです。


さらに余談。

キャッシュカードの4桁暗証番号は、それのみでセキュリティが確保されてるんじゃなくて、

  1. 用意されたATMでの入力(入力者の姿を晒し、不審な連続攻撃が困難)
  2. 偽造の難しいICカードによる口座情報(なりすましの阻止)
  3. 暗証番号の利用(窃盗されたICカードの不正利用の阻止)
  4. 比較的周囲から隠された操作入力部分(漏洩の阻止)

など、これらの組み合わせによってセキュリティが確保されてます。

先のオンラインバンクだと、そもそも「2」が無いから「3」が殆ど意味を成してません。

一方で、クレジットカードの暗証番号では「4」が足りないので、常に暗証番号漏洩のリスクを伴います。

とは言え、まぁ裏技は色々有るもんなので、完全ではないけれども攻撃者から見てリスクと報酬のバランス的に「面倒だな」と思える水準は今のところ保てているようです。

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DC12Vのコネクタについて

出先でのDC12V電力確保時、シガーやらバッテリ直(鰐口)やらφ5.5-2.1DCジャック(モバイルバッテリ)やら、コネクタがばらばら。

変換ケーブルも無尽蔵に作るわけに行かないので、一旦、一つの種類のコネクタに変換するようにして共通化を図ってみました。

DC12Vだと電圧が低いので、そこそこの電力を引っ張るにはどうしても高電流にならざるを得ない。希望としては、15Aとは言わないけど5A~10Aくらい流したい。

このあたりの電流値というのは、コネクタにとっては結構厳しい条件で、下手なコネクタ使うと接触抵抗で発熱してコネクタが燃える・・・までは行かなくても、融けるくらいはあり得ます。

結果から言うと、ラジコン界隈で流行ってる、写真右端の青色の“EC2コネクタ”に統一することにしました。

各種DC用コネクタの種類と素性

種類定格電流接触抵抗値
シガープラグ15A数mΩ〜約100mΩ(実測)
φ5.5-2.1 DCプラグ0.5A?
φ5.5-2.1 DCプラグ(音叉型)4A?
平形110型8Amax.10mΩ
平形187型15Amax.3mΩ
平形250型25Amax.3mΩ
タミヤコネクタ15A約2mΩ(実測)
XT3015A0.7mΩ
XT6030A0.5mΩ
XT9045A0.3mΩ
EC215A0.8mΩ
EC325A0.6mΩ
EC540A0.4mΩ

シガープラグ

シガープラグ

DC12Vと言えば真っ先にシガープラグが浮かびます。最大15A流せるらしーんですが、正直コネクタとしてはだいぶいけてない。先端を押付けてるだけなんで、先端のバネの力に側面のバネの摩擦が負けて、勝手に抜けてくるんだもの。

写真中央の、中心電極が長くストロークするタイプならまだ良いんですが、両隣の某社製プラグなんか最悪。中心電極のストロークが短かい&バネが硬いせいで、コネクタ全体が抜けてきてすぐに接触不良を起こします。

それなりにちゃんとしたシガーソケットだと、プラグが抜けないようにロック機構あったりしますが、それはそれでマイナーすぎ。

普通のシガーソケット&プラグだと、実測で接触抵抗が最悪値で100mΩくらいまで不安定だし、3Aで使っててもかなり熱くなる事もあるので「ほんとに15A流して燃えないの?」てな感じ。

しかも、世の中に出回ってるシガープラグの殆どは、15A耐えられません。素性の良いプラグ使っても10Aまで。構造上の問題なので、中に入ってるヒューズの定格上げてもダメ。

値段下げるため、プラグの内部構造的に高電流に耐えられないものが多く、2~3Aで中が焼けて断線する様なものも少なくありません。
(そんなショボいプラグに限って10Aのヒューズぶち込んであったりして、ウチも何度も焼きました。)

普及率が高くても素性が悪すぎて、とにかく使いたくないコネクタ。

φ5.5-2.1DCプラグ

φ5.5-2.1DCプラグ

次にDC電源と言えばお馴染みのDCプラグ。しかし、流せる電流の量がだいぶ足りない。

同じ直径でも実は2タイプあって、手前側がノーマルで、奥側は中心電極が音叉型した高電流タイプ。通常タイプで0.5〜1A程度まで。高電流タイプでも4Aまで。

高電流タイプでも、実力として10Aくらいまで流す事も出来るけど、その場合コネクタがΔ+17℃くらい加熱するとか。ちょっと無理させすぎ。

平型端子

110型 平型端子(カプラ付き)

バイクや車で良く見る平形端子もなかなかに優秀で、写真の110型ならサイズ的にも入手性的にも使い勝手が良いんだけど、それだと電流容量がちょっと足りない。

250型だとちょっと大きすぎるし、187型だとカプラの入手性がイマイチ。

因みに丸型・・・というかギボシ端子もわりと高電流耐えられるんですが、平形のように対応したハウジングが無く、抜き差しがしづらいため却下。

ラジコン用コネクタ

そしてたどり着いたのがコレ。

ラジコンの世界では「コネクタの電力ロス=モーターのパワーロス」としてシビアに見られているので、かなりロスの少ないコネクタが揃っていました。

種類メリットデメリット
タミヤコネクタ入手性が良い
ロック機構あり
他のラジコン用のコネクタより、接触抵抗値が比較的高い。
T型(ディーンズ)小型なサイズの割に低い接触抵抗ロック機構が無く引っ張るとすぐ抜ける
普及した反面、メーカーのばらつきが大きく当たり外れがある。
XT30/XT60/XT90ロック機構は無いが、ハウジングの摩擦力が強く、簡単には抜けない摩擦が強すぎて、本当に抜けない。
T型よりやや入手性に劣る。
EC2/EC3/EC5ハウジングの摩擦はそこそこ
端子と電線の接続部が、ハウジングで覆われるので収縮チューブ不要。
同じ許容電流ではXT系より一回り大きい。
XT系よりやや入手性に劣る。

そんなわけで、そこそこの勘合力で、かつ電極と電線接続部分がハウジングで覆われるECタイプのコネクタに。

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