手術の内容
腓骨筋腱脱臼はいろいろなバリエーション?が有るようで、手術もそれによって色々変わるし、いろいろな方法が提案されているようです。おおまかには以下の3つがあるようです。
- 腱を押さえていた支帯が剥がれた箇所を、縫い直す。(仮性嚢閉鎖)
- 腓骨が腱が引っかかりにくい形状をしている場合は、腓骨に腱が引っかかりやすくするように骨に溝を作る
- 腱が、腓骨に掛かっている部分にまで筋肉が付いてしまい太くなってる場合は、その筋肉を削ぎおとして細くする。
何も先天的な異常が無ければ1だけで済むらしいですが、ウチの場合は1〜3全部フルコースでした。
そもそも先天的な異常がなければ、めったなことで脱臼しないし、万が一怪我で脱臼起こしても簡単には再脱臼しない。仮性嚢が出来ただけで再脱臼しまくる場合は、ほぼ2か3の奇形があって「腱が外れやすい要素」があるとか。
ウチの場合はそれに該当だったので、そもそも1ヶ月の保存療法は無駄?だった様です。やるならギブス付けて固定するくらいのことやんないと…って感じみたいです。
入院期間
ネットでググったところ3泊4日とかいうのが出てきてたんですが、ウチの場合は告げられた入院期間は2週間でした。ただ、都合もあって無理言って1週間で退院させてもらいました。
腓骨筋腱脱臼の手術は先にも述べたとおりいろいろなパターンがあり、もっとも簡単なパターンなら関節鏡(腱鞘鏡)での手術で済み、その場合は3〜4日。少し込み入った手術で切開が必要になると2週間と言う感じみたいです。ウチの場合はフルコースなんで切開でした。
切開した場合に2週間待たずに退院する場合は、創部がまだ塞がりきってないので感染症のリスクがあるよ…と注意されました。術後感染症ってわりと怖い病気なので、退院後もそれなりに創部周りには気を遣いました。
術後の経過
術後すぐ
2〜3日はもうただひたすら痛みに耐えてるだけで何もする気が起きません。まぁそれでも毎日リハビリで松葉杖の練習はします。
4〜5日経ってから、ようやく横になってる限りはだいぶ痛みマシになりますが、椅子に座って足を下ろすと血が集まってきて痛い。
それでも退院の7日目頃には、足を下げていても「ふだんは意識せずに済む程度の痛み」にはなりました。
術後2週間までは、基本的に足は「地面に置くだけ」です。荷重禁止。状態によっては、椅子に座って足を地面に付けると、足の自重が掛かるだけで痛みが増すこともありました。
術後2週間目
一度ギプス外して抜糸、そして再ギプス。以降は全荷重OKでした。リハビリの先生の話では、通常は1/3~1/2~2/3と徐々に荷重を増やしていくそうですが、何故かウチの場合はいきなり全荷重OK。
踵でしか足は付けないですが、両足使えると日常生活が格段に楽になります。まぁ、それもあってか、普通は2週間の入院のようです。
術後4週間目
ギプスが外れてサポーターに。それまでの間で最も辛かったのは「足がむくんでギプスの中でギュウギュウになって痛い」と言うこと。ようやくその痛みから解放されました。
サポータ装着で歩いて良い事になってますが、1ヶ月ギプスしていた影響で足首および脹脛の筋肉がダメダメに。
脹脛まわりの筋肉の衰えから、血液ポンプ機能が落ちてしまっていて下肢がパンパンに浮腫んで、ギプス無しでも浮腫みの腫れだけで少し痛いくらい。
そして土踏まずより前の部分に体重が掛けられない。掛けると浮腫みが凄い痛い。通常の歩く動作では、そこからつま先を底屈させて踵を浮かせるんですがそんなことはまず出来ない。
術後8週間目
土踏まずの前の部分の痛みと下肢の浮腫みは劇的な改善は無いものの徐々に軽く。歩けるけど「無理して普通に歩いてるフリ」のレベル。
ようやく片足底屈で全体重支えられるくらいにはなったけれど、まだ少し足の裏が痛む。浮腫みもだいぶマシになったとは言え、右足と比べたらまだ浮腫みが少し残る。
8週目からジョギングを開始…なんて例もあるようですが、マジで?って感じ。
術後12週間目
ようやく「普通に歩く」感じに。浮腫みも殆ど無くなったけど、まだ筋力は左右で差がある感じ。片足スクワットすると明らかに手術した方の足だけふらつきます。
結局、手術したところの回復よりも、2次的に発生した浮腫みで筋力や関節可動の回復が遅れた感じ。筋力は徐々に戻していくしかないですね。
当の腓骨筋腱は、外れそうな感触は全くなし。ただ手術箇所を上から押さえると少し痛むし、踝の後ろから下側に掛けた部分が時々痛みます。先生に聞いたら完全に治癒するまでにはもう少し掛かるそうです。
術後の左右比較

汚い足ですみません…。
手術した左足は腓骨の張り出しが見えるだけで、腓骨筋腱の位置は良く分かりません。一方で手術していない右足を見ると腓骨筋腱が既に腓骨の上に乗り上げかけています。これが前方向に外れて腓骨の上に完全に乗り上げるとOUTです。
こんな右足だと、いつ腓骨筋腱脱臼起こしてもおかしくないやん…。医者からも「次は右足気をつけてね」と。(‘A`)