「リチウムイオン電池」と一口に言っても、実用化されているだけでも実はいろんな種類があります。詳細は割愛。
- LCO(スマホ・パソコンや小型機器はほぼ全てこれ)
- LMO
- NMC
- NCA
- LFP
- LTO
乱暴にいえば、ニッカド(NiCd)電池とニッケル水素(NiMH)みたいに、原理は同じで似てる特性もあれば異なる特性もある、という感じで。
LCOの特性が全てじゃない
Webでリチウムイオン電池の特性について調べると、大抵LCOの特性ばっかり見つかるんですよね。
で、その特性を引っ張ってきてEVの電池があーだこーだと言ってる記事を見かけるんですが、ちょっとズレてるんじゃ?と思うわけです。
例えば「リチウムイオン電池は満充電で保存すると急激に劣化する」と言われてますが、実はLFPにはあまり当てはまらない。確かに劣化はするけどそんなに酷くはない。
なので、蓄電設備ではLFPが多く使われています。ポータブル電源でも、最近になってようやくLFPの採用例が増えてきています。
リチウムイオン電池の劣化挙動調査
https://www.jst.go.jp/lcs/pdf/fy2019-sr-01.pdf
因みに国産EVで有名処の日産リーフですが、初代から現行までに3回もリチウムイオン電池の種類を替えています。
日産リーフ分解調査:リチウムイオンバッテリーパックの構造解説
https://www.marklines.com/ja/report_all/rep1786_201811
そして自動車系では、LCOが使われることは過去はともかく現在ではまずありません。LCOは発火・爆発の危険性が、他の種類のリチウムイオン電池より高いので。
スマホで培われたリチウムイオンの常識は、EVのリチウムイオン電池に当てはまらないこともある。
と言うことを言いたい。違うんです。
LCOから普及が始まったリチウムイオン電池ですが、そこからの改良で様々な種類のリチウムイオン電池が開発されましたが、まだまだ群雄割拠の様相です。
国内自動車メーカーは、今ではNMCが多い様ですがあまり公開されていません。
特性の概要だけ見ればNCAが優れているように見えるのですが、いまのところ採用はテスラのみ?作ってるのはパナソニックなんだけど。
あと中国メーカの廉価モデルはLFPが多かったりもします。
NMCとLFPの特性に関する情報は、だいぶ出そろってきた感じなのですがNCAの情報がまだまだ少ないんですよね…。
で、Sur-ronのバッテリーがNCAなんですが、いまいちどういった素性の物か分からず、困ったなぁ…と。