色々あって,迂闊に新しい作物を植えるわけに行かないのでストレス発散(ぉ。
有機肥料について諸々,ほぼ使ったことあるもの限定。有機肥料って元が生物資材だから,雑草の種が混じっていたり害虫の卵や,酷い物になると病原菌もいたりするので,実はわりと難しい。わるい物にあたるあたらないは,けっこう運だったりする。
バーク堆肥・腐葉土
- 肥効分は…ありません(ぉ。土質をふかふかにする為の有機物としてが主な役割。肥効分が無いから過剰施肥になる事も無いのでガンガン使えます。
本来はどちらも十分に発酵させるのだけれど,店で売っているのは十中八九発酵が足りない。さらによく分からない雑草の種や,酷い物になると害虫の卵が付いてたりする。使ったこと無いけど腐葉土の方がやばそうな気がするので,もっぱらバーク堆肥使ってます。土に混ぜ込むと,混ぜ込んだところだけ見たこと無い新しい雑草が生えてきます(ぉ。たいていその年限りなんで,せっせと草抜きしてますけどね。そんなわけで,年一回,耕起の時にがっつり混ぜ込んでます。翌年には跡形も無く消えてしまいます。
牛糞堆肥
- ちょっぴりの肥料成分。NPKがだいたい1.6/1.3/1.5%とか。さらに有機肥料特有の肥効率(実際に植物が利用出来る割合,化学肥料はほぼ100%)を掛けると,0.5/0.8/1.4%となりけっこうなカリ肥料だったりします。
「完熟してれば臭くない」と言われています。でも「完熟」って書いてあっても,所謂ホームセンターで売っているヤツで臭わないのにあたったこと無いです。施肥してから数日経つと1〜2週間は「ふわぁ」っていう程度で臭います。1〜2週間の間はご近所さんホントごめんなさいの気分で(ぉ。「臭う」ということはアンモニアが残っているので根や新芽を傷める可能性があり,牛糞堆肥を施肥するときは種まきや苗を植えるまで1〜2週間空けます。バーク堆肥・腐葉土と同じく土質の改善に役立つのでいっぱい入れたいところですが,とりあえずカリが過剰施肥にならない範囲で上限いっぱいまで施肥して,残りを他の肥料で補う感じ。
油かす
- 何処にでも売ってるような気がする油かす。 NPKが5/2/1%で肥効率がその60%。主に葉物の作物用だけれど,元肥だけでなく追肥にしても良く効くので便利。
ようりん
- NPKが0/20/0%にケイ素20%,マグネシウム20%,アルカリ分50%。JAS的には有機肥料に分類されるそうだけど,どうみても無機肥料。リンを含む天然の鉱石を,砕いて溶かしてまた冷やしたものだそうで,どうみても生物サイクルにも関わりが無いのに「天然だから」で有機資材だそうな。
リンは果実の生長に重要な要素なので,多くの作物にとって重要な要素。にも関わらず,生物資材による有機肥料にリンを多く含む物が殆ど無くて,有史以来,人類の農業はずっとリン不足だったとか。結局はようりんも化学肥料もリン酸を含む鉱石から採るしか無くて,わりと世界規模でその鉱石の埋蔵量が心配されてたりして,リン酸鉱石の枯渇は近代農業の危機だったりする。ようりんは水溶性ではなく水に溶けにくいク溶性のリンなので,元肥限定で使ってます。果実農家なんかは,ようりんでは効きが遅すぎるんで,速効性のある水溶性の燐安のほうを良く使ってるとか。
草木灰
- NPKが0/0.2/6.7%のカリ肥料。通年で植えるアスパラとかニラとかは,葉物だから油かすだけでほぼ足りるけれども,それだけだと根が育たないので年に何度か草木灰を追肥として足すような使い方。牛糞だけでカリ分たりちゃうんで,芋類とかでも無い限りあんまり使わない。
石灰窒素
- 無機肥料ですがおまけ。使ったこと無いですが,ぶっちゃけ劇薬です。皮膚に触れると化学熱傷を起こしてやけどします。ただ,土中に蒔くと水分と反応し1〜2週間徐々に無害化して窒素肥料になります。また,その毒性により土壌に潜む害虫類や雑草の種までやっつけてしまうとのことで,土壌消毒にも役立つ。ただその成分が人体に取り込まれると,二日酔いの原因となるアセトアルデヒドの分解を強力に阻害し,僅かな飲酒で地獄の苦しみを味わうとかいうので,怖くて使えません(ぉ。(アル中患者の抗酒剤として有名なシアナミドの元が石灰窒素。)
化学肥料
- NPKがバランス良く含まれていて,水溶性の成分が多く,かつ顆粒状なので,わりと早く(数日)肥料分が溶け始めて効果がでつつ,顆粒が溶けるまでは比較的長く(1ヶ月くらい)持続するので使いやすい。
元肥の時は有機資材の補給に有機肥料使ったり,ク溶性の肥料を元肥に優先的につかったりすると,結局肥料の総量計算すると,化学肥料蒔くと過剰になっちゃうんで元肥では殆ど使わないです。威力を発揮するのは追肥として。土のうえにぱらぱらと蒔いて,水やりするだけで肥料が行き渡るんで便利。