LCさんのオイルを硬くしてみたけれど,まだ今ひとつしっくりこない。ということでオイルレベルを再考してみた。
そもそも,オイルレベルの調整とはなんぞや?と言うところから。
フロントフォークの反発力は「バネ+内部エア圧縮」の二つが合わさっている。バネは荷重に対して直線的に縮んでいくけど,エアは2次曲線的に縮んでゆき,荷重が増えるほど縮みが少なくなっていく。サスペンションとしては後者の方が理想的で,所謂「奥で踏ん張る」感じ。
オイルレレベルとはフロントフォーク内部のエア量を調整し,エアによる反発力を調整するものと理解している。フロントフォークを凄く単純化して考えれば
- フルストローク(以下「FS」)時のエア圧縮比=内圧
- 内圧を受ける内径面積=フォーク反発力
が分かれば,だいたいの反発力が計算で求められるんじゃ無いか?ということで手計算してみたのがこちら。
黄色のセルはサービスマニュアルとかから引っ張った値で,その他は想定で適当に放り込んだもの。
WRE125だけどう考えてもおかしな値になってるんだけれど,他はだいたいそれらしい値に。FS時でバネ反発力の20%~30%ぐらいをエア反発力で補うのが普通っぽい。
LCさんの右側(バネがある側)は実測だいたい180mmで標準的な値っぽい。左側(バネが無い方)は120mmとかなり高圧縮を狙っている。バネが無い分を補おうとしている?
あんまり圧力上げるとシールからオイルを噴きかねないんで,右側を180mm(たぶん21.7kgf)→140mm(たぶん27.9kgf)にしてみることに。
右フォークを開けてFSしてみるとこんな感じ。プッシュロッドが邪魔でオイルレベルとか測れたもんじゃない。
プッシュロッドを手で押してみたら,わりと軽い力でCクリップが緩んだんでCクリップ外してみたら,ようやくスプリングと油面がこんにちわ。
左側にはスプリングが無く,ダンピングの役目だけを負うんだけどこんな感じ。
プッシュロッド途中にあるアルミのカラー?は,くるくる回るんだけどどうやって留めたのかなんの為にあるのか不明。
とりあえず,カラーがオイルに浸からない状態で油面を測定したけど,実際のFS時考えたらカラーがオイルに浸かるまで縮めたほうがよかったのかも。
ロードでは好感触っぽかったけど,数値見る限り180mm→140mmでそんなに劇的な変化はなさそうなんでプラシーボかも。Fブレーキ握ったときに,フロントが「スッと」入って「ふっ」と止まるのが理想。今まで「スッと」はあったけど「ふっ」が無くて,そのままフロントがずぶずぶ縮みすぎてたのが,少し「ふっ」が出来たような・・・気がする。
オフはフラット林道走ったぐらいじゃさっぱりわかんない。前に見通しの良いちょいガレな林道をちょっとペース上げて走ったとき,フロントがばんばん弾かれて怖かったのが直ったらいいんだけど。
モトクロスコース的な所は,FS時の荷重が167kgf(片側)なTE250でも底付きするんだから,今のスプリングレートじゃ跳んだり跳ねたりはまぁ無理っぽそう。
追記:完結編へ