[klx125] いつものリンクOHとグリス

リンクOH
動きの悪くなっている箇所はあったものの,グリスが干上がるような箇所は一切無し。
三日月の一番上のスイングアームと接続している箇所,ウレアグリス(AZウレアグリース)に変更した効果は確実に出ているっぽい。ウレアにしてから干上がる様な現象にはまだ一度も逢っていない。リチウム系だとリチウムコンプレックス(マキシマ ウォータープルーフグリス)でも熱でやられちゃっていたっぽい。シリコーングリスも耐熱性に優れるけれど,基本的に樹脂どうしの潤滑に使うもの。樹脂・金属の潤滑性能がイマイチ不明。ちなみに金属同士の潤滑ではシリコーングリス最悪です。
じゃぁ全部ウレアにするかというと,やっぱりウレアはちょっとお高いわけで。他はリチウムで十分っぽい。
ちなみに,ウチはリンクのグリスにモリブデングリスは使わない。この辺りは諸説有り,以下はあくまで持論。
そもそも,「ころ」が転がることによって摩擦を減らしたベアリングにとって,微粒子ころとなるモリブデンの粉末は転がるための抵抗にしかならんと思う。ましてや,公道モデルでコストカットの為使われるプラブッシュの軸受けでは,ブッシュがモリブデンより柔らかいから,押しつぶされたモリブデン粒子はプラブッシュに埋まってしまいモリブデングリスの極圧性能なんて出るわけが無い。さらに言うと,グリスに対して粒子を抱え込んでいる以上,耐水性の面でも吸水しやすくなってしまい良いことなんて一つも無い。
じゃぁモリブデングリスはいらない子か?というと,そういうわけでは無く適材適所。ベアリングではなくスライドメタルの軸受けとか,エンジン内部の組立時にエンジンオイルが行き渡るまでの囓り防止とか,エンジンボルトの囓り防止とか,そういう用途に向く。カワサキのサービスマニュアルでは「モリブデン溶液(モリブデングリスをエンジンオイルで溶いて作る)」なるものが指定されていたり。というかエンジン内部ばっかり。エンジンOHしない人には無用の長物かと思うわけで>モリブデングリス。
あと市販のモリブデングリスに対して信用ならないのが「モリブデンは添加物,ベースのグリスは何?」っていうとこ。今では殆ど見なくなったカルシウム系グリス(所謂ふうつーの万能グリスであるリチウム系よりもさらに安く,耐水性が無く乳化する)にモリブデン添加しても「モリブデングリス」って名乗れてしまう。
ま,リチウムやウレアグリースだって,それ自体は粘度を上げるための物質で「潤滑油+リチウムorウレアorその他」なので,元となる潤滑油は鉱油なのか合成油なのかブレンドなのかとか,その辺りもよく分からんわけで。シリコーングリスに至っては「潤滑油としてのシリコーンオイル+リチウムorウレアorその他」なんで何のグリスなのかさっぱり。とりあえず,経験的に素性の良かったメーカー・製品名を覚えて行くしかないわけで…。

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