pHとは常用対数表現。pH3とpH6は1:2の関係ではなく,1:1000の関係。pHの1つ分が10倍の関係になる。ある溶液を中性(pH7)で2倍に薄めても,pHは約0.3しか変わらない。
つまりpH5→pH6にするために必要な石灰の量に対して,pH4→pH5にするために必要な石灰の量はその10倍必要となり,pH3→pH4にするためにはその100倍必要になる。
それなのに,農業関係の資料見ていると,「pHを1上げるために必要な石灰量」なんていう,でたらめな情報がまことしやかに記載されていたりとか。化学と経験値がごっちゃ。
化学とか物理とか,エンジニアリングの世界では常識の「対数表現」。自然界の値を,人間が「感覚的に」理解しやすくなるとても便利な表現なんだけれども,せめて高校教育ぐらいで教えて欲しいと思う今日この頃。
身近な所で対数表現を理解しているか否かの差は,Macのボリューム(対数表現)は半分にしたら感覚的にも半分になるのに,Windowsのボリューム(対数ではない)は半分にしてもちょっとしか音量が下がらなくて,それ以下の領域で急激に音量が下がったりとか。