麹菌と泡盛と日本酒

黒麹の醪
麹菌には大別して黄麹菌・黒麹菌・白麹菌がある.以下,泡盛の酒造メーカーで聞いた話.
日本酒・味噌・醤油などでは黄麹菌を使うが,泡盛は黒麹菌を使うという.なぜかというと,沖縄のような気候(高温多湿)で,他の雑菌の繁殖を抑えちゃんとした酒造りは,黒麹菌でしか出来ないからという.醪の発酵しているタンクを見せてもらったら,確かに醪が黒いというか灰色.
さらに言うと,今では醪を冷やして温度を保つ機械が安く手にはいるようになったので,季節に関係なく1年中泡盛造りが行われている.昔は日本酒と同じく冬の間に集中して造っていたけれど,それだと従業員は期間労働者となり夏の間は他の仕事を探さないといけなくて生活が不安定で,1年中酒造りが出来るという事は従業員の生活にとって凄く重要な事だと話してくれた.
黄麹菌を使う日本酒では,殆どの酒造メーカーが現在でも季節に従って酒造りを行っている.泡盛と同じ用に夏の間も造ろうとすると,醪だけでなく蔵全体を冷やしたりとかしないといけないんじゃないか?とのこと(さらに言うと醸造酒だから不純物に敏感).そんなわけで,思いがけず日本酒造りに携わる従業員の苦境を知る事になる.
(実際は,夏の間に果実酒や焼酎造りを行う日本酒メーカーも多い)
因みに白麹菌は焼酎造りで主に使われている.焼酎の歴史は,黄麹菌→黒麹菌→白麹菌と変遷していった模様.但し,九州などの酒造メーカーでは黒麹菌を使う事も多く,敢えて黄麹菌での焼酎にチャレンジしている酒造メーカーもある.

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