認識阻害というギミック

「認識阻害」という架空の設定が、一体何処から出てきたのかを探るだけという、実にどうでも良い考察。

個人的にその存在を初めて知ったのは「魔法少女特殊戦あすか」(2015〜)から。

変身物の「読者から見てどう見ても本人バレバレなのに、何故か変身してると身バレしない」っていうお約束。

それを「変身中は認識阻害の魔法が掛かってるから誰か分からない」と理由付けされていて、実にうまくやったもんだと感心していました。

で、先日「魔法少女にあこがれて」(また魔法少女かよ)読んでみたら、

こちらでも「変身中は認識阻害により身バレしない」って設定が使われてました。(魔法少女ではなく「悪の組織の女幹部」なんですが)

あれ?いつのまに変身物での認識阻害ってそんなデファクトスタンダードになってたの?って疑問に思ったのが切っ掛け。

認識阻害の祖

google先生で期間を指定して、時を遡っていくと、どうも「魔法先生ネギま!」(2003年2月26日~)が初出らしいです。(未読)

赤松健すげぇなぁ…。

2003年以前を指定して「認識阻害」を検索すると、ネギま!とネギま!の二次創作しかHitしませんでした。

個人を特定させずに誰か分からなくする、と言った使われ方もあるみたいだけれど、そもそも存在自体を見えなくする・感じなくするという使われ方もしていて、ちょっとふわっとした扱い。

認識阻害という概念の祖?

2021.9.26追記

「認識阻害」という単語に拘って追っかけてたのですが、コメントによると、それと同じ概念がドラえもんのひみつ道具「石ころぼうし」として登場していたそうです。

初出がドラえもん4巻(1974年/10月)で、ネギま!よりもさらに四半世紀以上前。

このギミックは「目で光を見る」と言うことと「見えた物を頭で認識する」というのが同時に行われながら別の事であると理解する必要があると思います。

当時に藤子不二雄がそれを既に理解していたというが凄いなぁ…。

認識阻害その後

2009年秋の「とある科学の超電磁砲 」アニメのオリジナルキャラクタが、認識阻害ではないけれども「視覚阻害」の名称で、姿を消すという使い方をしていたようです。

ネギま!と関係ないかも知れませんが、何らかの影響受けてる可能性も高そうに思います。

と言うのも、その説明が「対象物を『見ている』という認識そのものを阻害することで、誰からも見えなくなることができる。」って、思いっきり認識阻害と同じロジック。

関係スタッフとしては、引用元を分かってた上で、権利やらなんやらに配慮して敢えて名称を変えた…ってのもなきにしもあらず…って気もします。

その後、2011年に「神のみぞ知るセカイ」(未読)にても認識阻害が出てくるようですが、こちらは男が女に、女が男に見えるという物で、ちょっと趣が違うようです。

そして、その後で認識阻害を扱った物語と言うと、今では有名所の「Re:ゼロからはじめる異世界生活」での認識阻害のローブ。
(2012年4月から小説家になろうで掲載)

こちらでは姿を消すのでは無く「そこに相手が居る事は分かってもそれが誰か分からない」と言った効果で、後の魔法少女での効果に近い設定になってます。

『認識阻害=個人を特定させない』って設定は、このあたりで固まったようにも思います。

魔法少女への認識阻害という設定の付与

ググってみた限り、2013/11に小説家になろう掲載のブラック社会の魔法少女達が初出のように見えます。

魔法少女特殊戦あすかが初出じゃなかったんですね、ちょっと残念。

その後、メジャー系の作品は検索に引っかからなかった物の、インディーズ系の小説サイトでは魔法少女の身バレ防止を認識阻害で説明している作品がいくつかヒットします。

このあたりでその筋の人達の間では「魔法少女は認識阻害の魔法により身バレしない」という共通認識が出来上がりつつあったようです。

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認識阻害というギミック への6件のフィードバック

  1. 星田人。 のコメント:

    魔法少女の身バレ防止といえばセーラームーンを思い出す。
    たしか水のひとがバレたことがあったが何でだったかは忘れたけども。

    バレたらアウト。という設定から、堂々と顔出ししてるのに何故かバレない。という設定になったあたりが怪しいなと。

    • 棉乃木 のコメント:

      あー確かに。変身の内容が簡素化されたあたりの変化もあるわなー。大昔はそれなりの変身してた様な気がする。

  2. うるとらママ のコメント:

    ドラえもんの石ころ帽子も認識阻害の一種ではないでしょうか?

    • 棉乃木 のコメント:

      確かに。単語としての「認識阻害」では検索に掛かりませんでしたが、概念としてはその通り。石ころぼうしが載ったのがドラえもん4巻で、1974年と約30年も遡る。
      「透明人間」なんかはわりと直感的ですが「見えてるのに分からない」というのは「見る」と言うことが「目で見る」「見えた物を頭で理解する」と2つに分かれることを理解してないと発想自体難しいと思います。
      改めて、藤子不二雄の凄さを少し感じました。

  3. 匿名 のコメント:

    超人ロックあたりであったような気がするなあ
    観る側の協力ありなら黒子だねw

  4. アイオイ のコメント:

    魔法少女じゃないですが、俺ツインテールになります。(2012/6 刊行)で変身者(など)の特定を防ぐ認識攪乱装置という概念が出てきます

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