良い設計

N Boxのリコール
http://www.honda.co.jp/recall/130613_3173.html
DとRを切り替えて素早くアクセルを踏み込むのを繰り返したら,CVT内のシャフトが折れて走行不可能になるというもの。対策は,オートマECUのプログラム改修で,シャフトにかかる負荷を軽減するとか。
まぁ特殊な操作と言えなくもないし,ECUのプログラム改修すれば恐らく解決するだろう。けれど,シャフト耐久性についてもやもやする部分があったり。
設計は要求性能を満たしながら,常に「より安く」を求められる。部品の強度は必要な範囲でギリギリの設計であるほど,価格が安く軽く燃費も良くなり,それが「良い設計」とされる。設計寿命が10年だったら,実際に20年も30年も持つ製品は過剰品質の「悪い設計」と言えなくも無い。工学やシミュレーションの発達は,人の勘や経験よりも,設計予測をより正確な物とした。その結果,
従来:「これ『以上』にしておけば『少なくとも』この耐久性は満たすだろう」→予定の寿命は持つけれど,いつ壊れるか分からない。
というのが
現在:「この耐久性ならこのくらいで十分」→予定の寿命以上持ち,その時期を超えると予定通り壊れていく。
という風になってゆく。
消費者は言う。「より丈夫で,より長持ちし,より『安く』」。予定通りに壊れる設計が一概に良いとは言い切れない。一方で,予定以上に長持ちする設計に掛かるコストは,一部の消費者が認識しても,それが商業的に成り立つ程度には認識されない。
そんな感じで悶々としたり。

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