24bitオーディオについて

あぽーが24bitでの配信を始めるとか。するとさっそくこんなネタが。
24ビットの音にしても利用者にはなんの得にもならない理由
ウチは基本的に、オーディオマニア達の言う科学的に辻褄の合わない数々の主張はだいっきらい。けれど、先のリンクの主張はある意味正しいけれどある意味間違い・誤解していると思われ、というオーディオのbit数の話。
1つめ。デジタルオーディオは小さな音ほど実質bit数がどんどん減っていくという事。例えば、数値で表現すると16bitという事は一番大きな音が±32767の数値で表現出来る。一方で小さな音というのはそれよりももっと値が小さくなり、例えば最大に対して12dB小さな音は、±8191となる。±8191というと14bit分に相当する。12dBがどの程度かというと普通の機器でボリュームを1/6〜1/8くらい捻ったぐらいと思って良い。ちょっと小さくなるけどまだまだ聞こえる程度。つまりは、小さな音ほどどんどん実質的なbit数が減っていく。
2つめ。デジタルオーディオは普通、小さめに録音するという事。デジタルオーディオというのはデジタルだから当然数値化されているので、音量の範囲が決まっている。16bitだとどうやっても±32767を超えることは出来ない。超えてしまうとどうなるのか?安物のオーディオのボリュームを最大に捻ったときに「バリバリバリ」という不快な音が入るのと同じ様な事が起きる。だから、デジタルオーディオでの録音は絶対にMaxを超えないようにする(基本的には。後述)。そのために録音ソースのボリュームを下げて、わざとデジタルデータ上で小さな音として録音する。不意に大きな音が来ても、最大値を超えないようにするために。一時期、デジタル録音されたデータの解析にあたったことがある。例えば、ワンセグテレビのデジタル放送は16bitデータだけれど、主に2つ目の要因で殆どのデータが±2023の範囲に収まっていて実質的に12bitしか使われていない事になっていた。
一方でPOP曲のCDのデータは多くの場所で16bitフルに使い切っていた上に、所々のデータが最大値に張り付き≒レベルを超えてしまっていた。これはマスタリング時にコンプレッサーという機器を使い「小さな音は大きく・大きな音は小さく」して、うまく16bitの範囲に収まるようにしている。所々のデータが最大値で張り付き=レベル超えてしまって不快なノイズが発生している筈だけれど、その程度が僅かなので普通の人は余り気がつかない。僅かなノイズを排除するよりも、より音量を大きくして16bitフルに使い切るようにした結果かと。このことについての善し悪しは各論あるみたいだけどとりあえずトレードオフとしては妥当かと。
で、TV放送だと12bit相当でも誰も気付かない、ましてやCDだと16bitを上手に使い切っている、24bitなんていらないんじゃね?となる。まぁ、そうなんだけど、そうじゃない場合もある。生録音の未加工データの場合である。
生音の録音時だと大きな音と小さな音の差が激しく、オーケストラの録音などではコンプレッサーを入れると音が変わってしまうので御法度。前にクラッシックのCDのデータを見たことがあるけれど、殆どのデータが8〜10bit相当という悲惨な物でした。主に2つ目の理由で最大の音量に合わせて全体のレベルをデジタルデータの範囲に収まるようにすると、そういうコトが起きる。こういう場合に24bit化は有効。
実際、レコーディング過程では24bitが使用されている。24bitといっても、中身は2つ目の理由でかなり音量が低めになっていたりで、実質16〜20bit程度のデータになっている事が多いと思われ。これを巧くレベル調整し、時にコンプレッサーを掛けて16bitのデータに仕上げられている。コンプレッサーを掛けると音が違う音になってしまうけど、多くの歌謡曲では原音に忠実で有ることよりも、結果として心地よい音かどうかが重要視されるので問題にはならない。
と言うわけで、やっぱり普通の人には24bitは不要だけど、クラッシック聞く人にとっては有用なんじゃないかな、というお話。

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