ちょっと煽り気味のタイトル。
うちは日本酒が好きです。うちぐらいのおっさんになると、同年代以上の人はだいたい、焼酎とかウイスキー、時々ワイン。日本酒はというと「昔は飲んでたけどねー、いまはもういいや」みたいな感じ。
そのこころは、日本酒の歴史が他のお酒よりもかなり浅いからなんじゃ?と思ってる。歴史の浅さは、味がどうとかというより、それを取り巻く文化の世界の厚さ。まぁ蘊蓄とも言いますが、そういうのって「趣味を楽しむ」要素としてはとても大事。
「コメで作った酒」という意味で起源を辿れば紀元前3世紀ごろ(弥生時代)、麹を使った酒造りとなると遅めに見ても8~10世紀、そして現代の日本酒につながる製法の骨格としては、室町時代に形成され始め、江戸中期の18世紀頃までにほぼ確立していたとか。
一方でワインは紀元前6000〜4000年ごろが始まりとされ、古代ギリシャ・ローマ時代(紀元前8世紀〜西暦5世紀)にはすでに広大なワイン文化圏が成立していました。ウイスキーはちょっと遅くて始まりは15世紀ぐらいですが、今の形が広まったのは19世紀頃とか。
じゃぁ日本酒もそんなに違わないんじゃ?というと、実はそうでもない。日本酒は明治時代に技術革新があって、その延長線にあるのが今飲まれている日本酒で、今のような吟醸香があり後口もさっぱりしたような日本酒は、江戸時代の日本酒とは酒質というか味の面で、方向性がかなり異なる。以前、菊正宗の蔵元で皇室御用酒なるものを頂いたけれども、その場に居た日本酒好きが、自分も含めて皆微妙な表情でした(多分古来日本酒の作り方に従ったもの)。
さらに戦前〜戦後にかけて、米不足解消のために取り入られた手法としてのアル添・三倍増醸清酒(アル添/三倍増醸=粗悪ではない)が、安酒の手段となり粗悪な日本酒が普及したため、日本酒は「甘ったるい」「重たい」さらにイメージとして「悪酔いしやすい」というよくないイメージ付き纏うようになった。
その上で、吟醸香漂う日本酒というのは以前は普通に販売されるものではなくあくまで品評会用。それが今のように一般に流通するようになるのは1980年代以降。つまりは、今時のおいしい地酒とされるような「今時の日本酒」という文化は、まだ一世紀も経ってないわけです。
やっぱりね、格式って大事だと思うんですよ。ワインとかウイスキーのグラス傾けながら、あれこれ蘊蓄語るのとか。別に批判してるんじゃなくて、そういうことも含めてお酒の「楽しみ方」であるわけで。
一方日本酒は、今だに「アル添=不味い酒」という間違った認識すらいまだに払拭しきれていない。今だに「日本酒=糖分多め、べったりしたくどい酒」みたいなイメージもある。「日本酒」という名前ながら、多くの日本人がそもそもまだ理解できてない。
でもね、新しいからこそ、まだまだいろんな可能性がある。今でも、知らない日本酒を飲むと「え?これ本当に日本酒?日本酒でこんなことできるの?』と驚くこともしばしば。だから日本酒は面白い。
