3Dプリンター買いました。
もともと10年くらい前に仕事でMakerbot社のReplicator2という3Dプリンター使ってたんで、大体の勝手はわかってるつもり。その上で、最近になってBambu lab社の3Dプリンターがすごくいいぞと、いろんな方面から噂を聞くようになってかなり気になってました。
ネットの記事とかそういうのだと、まーそーですかー、って感じなんですが、リアル人伝とか、マーケティング抜きのSNS経由とかで複数要因あるとちょっと気になるやん・・・と。
そんな折、セールきていたのと、ダメ押しで炭素繊維強化ポリアミドが印刷できることを知ってとうとう買ってしまいました。
購入に至るまでのおさらい・・・。
A1 mini

買ったのはこれじゃないけど、まず最初に注目したのがこれ。
マジか、今この値段で買えるのか。造形サイズも180x180x180と大きくはないけど、何とか許容できるレベル。でも材料が基本PLAで、ABSは非推奨とな。
(※非推奨とは出来なくはないがちょっと問題あり・・・という程度らしい。)
みんなのよく知っている「しっかりして、撓って簡単には割れないプラスック」とはだいたいABS。それにくらべてPLAは「曲がらないし、すぐ割れる」なんで、あんまり実用的じゃないなーと。オモチャ・・・と言うと失礼ですが実用性は限定的。そもそも市販の工業製品でPLAなんてほぼ使われていない事からお察し・・・。
PETGとかも使えるようだけどボトル以外のPETってよく知らんし。物性見るとやっぱり耐熱温度低いし結構硬めだからちょっとなぁ。
P1P

次に見たのがこちら。だいぶ本格的に。ABSもいけるぞ・・・と思うも、ABS印刷の場合はスケルトン筐体じゃなくて覆い(壁)が必要とな。
確かに、旧式の3DプリンターでABS印刷してた時も周囲温度には苦労しました。融点が高いから雰囲気の温度によって仕上がりが左右されやすいんよね・・・。まぁ覆いあったほうが結果安定するよなぁ。
後から覆いを追加することもできるけれど、最初から覆いの付いたモデルの方が安いぞ・・・と。
P1S

そんなことでやってきましたP1S。P1P+カバー付き。ABS OK いぇぁ。とはいえ、ウチはバイク用の部品が作りたいんだわ、ABSじゃ不足なんだわ。(ムービングゴールポスト)。
まぁABSでもそこそこ丈夫よ?でもオートバイで使用されるプラスチックって、だいたいPPかPA。ABSじゃちょっと性能不足。
PPは、収縮率が大きすぎてにFDMタイプの3Dプリンターじゃ造形が難しくて、そもそもあんまり使われないし、Bambu labのプリンターじゃ対応してないっぽい。
じゃぁPAは・・・というと、3Dプリンター向けにはPA-CF(カーボンファイバー)が存在するけど、P1Sでは非推奨。さらに上のクラスのプリンターが必要らしい。
X1C

PA-CFサポートOK、だがしかし、予算オーバー。P1Sの倍くらいするよ?
何となく見た目はP1Sと変わらないけど、中身は相当に高機能。というかX1Cの前のX1の廉価版がP1S/P1Pとのこと。コスパ的にちょっと無理ぽ。
セール情報&ダメ押し情報
そんなわけで、ここしばらく「あの葡萄は酸っぱいに決まってる」と思いながら「一時の物欲に流されてはいけない」割と長い間、悶々と過ごしていました。
そんな折、Bambu labの3周年記念セールがやってくる。何のことはない、毎年やってるらしい。そして年末にはBlackFridayセールやってるし、まぁ割と頻繁にセールやってる模様。しかしそれでも結構ガツンと値下がりする。
ふーん、ふーん、( ´_ゝ`)フーン
まぁ、「どうせ買わないけどね」とか思いながら性懲りも無く色々検索してたら・・・・
自宅で炭素繊維強化ナイロン6を印刷しよう(Bambu Lab P1S)
https://note.com/plastic_gear/n/n46f8f29894d4
マジか、P1SでPA-CF使えるんか。今までアルミ板で切ったり穴あけたり、エーモンステー頑張って加工して作ったパーツが置き換えできるやん!
(※屋外用途ではPA6-CFではなくPAHT-CF(PA12-CF)を使いましょう)

というわけで、勢い余ってAMSまで付けました。最初AMSなしで考えていたんですが、Pro2じゃなくてもいいから絶対にAMS買っとけ、と言いたい。多色印刷しなくてもむちゃくちゃ便利。例えなるなら「新しい洗濯機に付いてた洗剤自動投入機能が、期待してなかったのにむっちゃ便利だった」くらい便利でした(自分にしかわからない)。
AMSはPro2から材料乾燥機能が付くんですが65℃まで。結局のところPA-CF使いたかったら少なくとも85℃くらいで乾燥処理したいところ。なので中途半端かなぁと。
旧型のAMSには乾燥機能ありませんが、筐体がそれなりに気密を意識した作りになってるんで、隙間にシリカゲルの乾燥剤つっこんどけば保管中の吸湿は防げそうです。
使用感と懸念
データ転送もWifiで送れてらくちん。カメラ内臓なので、出先からスマホで造形状況をライブで確認もできたりする。
ただ一つ懸念があって、スライサー(3Dデータをプリンターの加工データに変換するソフト)がクラウドでしか提供されていないこと。しかもBambu labは中国企業です。Bambu lab社がどうあれ、中国は政府の意向で民間のソフトウェアを如何様にも弄ることが可能な国です。そんな国のクラウドに依存してるわけで・・・。
ただまぁ、最近になって非クラウドなスライサーの提供も始まったようなので、最悪の事態は避けられそうな・・・と。
ちょっと使ってみた
お試し用のPLAが3kgほど付属してきたんで、しばらくそれで遊べそうです。付属のBamboo社謹製のPLAフィラメント使ってる限りは、何にも難しいことなく綺麗に仕上がる。自動キャリブレーションてんこ盛り。10年の進歩はすげーな。
10年前だと、自分であれこれパラメーター調整しまくってようやく実用になる(仕上がりの質とか、造形の成功率とか)感じだったのが、ほぼプリセットのまま何もしなくてもいいかんじ。
ただ、巷に溢れる中華フィラメント買ってきて印刷してみると、ちょっと設定弄らないと、期待した仕上がり品質はなかなか難しい模様。そのあたりはちょっとノウハウがいりそう。
Bambu labどうなの?
今回、ほとんど他社の3Dプリンターとの比較もせずにBambu lab一択で選びましたが、後から調べてみたところ、まぁ良かったみたい。
同じ価格帯の3Dプリンターを出しているメーカーはいくつかありますが、某C社の製品レビューとかみると「改造と設定値のカスタムをやりこめば、圧倒的高性能な3Dプリンターになる」みたいなこと書かれたりするんですよね。いやいや、そういう試行錯誤は楽しいかもしれないけどもうええんですよ。
ちょっと高いけどBambu lab製の純正フィラメント使えば、2Dの普通のプリンターのように、苦労する事なく質の良いプリントができるみたいです。
詳しいレビューについては、まだ日本語での検索結果はまだ多く無い。しかし検索結果を英語に絞ると、かなりの記事がHitするようになるんで、海外では前から結構話題に上がっていたようです。